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ヤクートのリスはどのように極寒に耐えているのか

Alexey Abramov/500px / Getty Images
ヤクートはロシアで最も寒い地域であり、気温がマイナス50度を下回ることも珍しくない。それでも、公園や森林にはリスが生息している。ただし、その姿は温暖な地域のリスとは大きく異なる。

 1929年、ソ連の動物学者ニコライ・オグニョフは、ヤクートのリスを独立した亜種として分類した。これは、厳しい環境で長く暮らすうちに、一般的なリスとは異なる特徴を獲得したことを意味している。

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 最大の特徴は、特異な毛皮である。ヤクートのリスは、胸元に白い帯が入り、体毛は濃い灰色からほぼ黒色まで幅がある。冬になると毛はさらに密になり、青みがかった色調も帯びる。これにより、冬の森林の中で効果的に身を隠すことができる。

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 この豪華な毛皮のため、かつてはクロテンと並んで毛皮獣として利用されていた。

 また、ヤクートのリスは極寒の環境でも生き残れるよう進化している。他の動物とは異なり、比較的暖かい日中に活動し、強い寒気の際には数日間巣穴にこもってエネルギーを節約する。巣は森林のコケだけでなく、自身の柔毛でも断熱している。

ソビエト時代のヤクーツク市章
Shaydenatch (CC BY-SA 4.0)

 ヤクートのリスはヤクートの森林だけでなく、カムチャツカ半島の一部地域でも見られる。半島へはおよそ一世紀前、自力で分布を広げたと考えられている。