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サルトルはショーロホフのためにノーベル賞を辞退した?
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大長編『静かなドン』の作者の誕生日をめぐり、興味深い事実がある。
1964年、フランスの作家・哲学者のジャン=ポール・サルトルは、ノーベル文学賞の受賞を辞退した。こういうことは歴史上あまり起きないから、マスコミの猛烈な関心を呼んだ。
サルトルは、辞退の理由をいくつか挙げた。とりわけ、賞の審査員たちが偏向していると非難した。彼は、前回の賞がショーロホフではなくパステルナークに授与されたことに、遺憾の意を表した。
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このフランス人はこう不満を漏らした。
「ソ連の文学作品で唯一受賞したのは、国内では発禁になり外国で出版された本だ」(パステルナークが1958年にノーベル文学賞を受賞した小説『ドクトル・ジバゴ』について言っている。ただし、この詩人は、ソ連当局の圧力で辞退を余儀なくされたが)。
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この発言はノーベル委員会に影響を与えたと考えられており、翌1965年にショーロホフに賞が授与された。その理由は、「ロシアの転換期におけるドン・コサックを描いた叙事的作品の芸術的力強さと全一性に対して」。