ルーヴル美術館のコレクションに、ロシア帝国最後の皇帝ニコライ2世が所有していたイコンが加わった
「ルーヴル友の会」(Amis du Louvre)は、世界最大の美術館に、最後のロシア皇帝が所有していた正教会のイコンを寄贈した。これは、三つ開きの聖像で、カレリア産の白樺材で作られ、宝石や真珠がちりばめられている。「ルーヴル友の会」が、イコンの購入・寄贈に要した費用は220万ユーロだった。
このイコンは、宝飾品の名匠ミハイル・ペルヒンが、ファベルジェ工房のために制作したもの。1895年に皇帝の第一子オリガ・ニコラエヴナ大公女が生まれたことを記念して、サンクトペテルブルクの貴族たちが、皇帝夫妻に贈った。このイコンには、4人の福音記者と聖人、すなわちミラのニコラオス、聖アレクサンドラ、聖オリガが描かれている。
ボリシェヴィキが政権を握った後、このイコンは、アンティークストア「ラ・ヴィエイユ・ルシー」のコレクションに入った。同店は、最初はパリに、その後ニューヨークに拠点を移している。このイコンは、これまでに一度だけ一般公開されたことがある。1977年にロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館で開かれた展覧会でのことだ。
ルーヴル美術館では、このイコンは、「ビザンチウムと東方キリスト教」部門のコレクションに収められることになっており、同部門の開業は2027年の予定だ。