
2025年ロシアの注目の展覧会

モスクワ、国立歴史博物館
「お宝!ロシア帝室の輝き」

ロシアの女帝たちのダイヤモンド、贅を凝らした宝石の装飾品やドレスの数々、その他、様々な美術工芸品、そして肖像画。いずれも、皇帝たちの華麗な世界を物語る品々である。展示品は全て、ペテルブルグのエルミタージュ美術館の所蔵品である。
展示会の開催期間: 〜2025年5月12日(月)まで
「レーニン」

レーニン暗殺未遂に使われたブローニング拳銃、各種ポスターや写真、多くの愛用品など、「世界のプロレタリアの指導者」にまつわる品がロシア中の博物館から集められた。人物像だけでなく、世界史におけるその役割について考えさせられる展示である。
展示会の開催期間: 〜2025年8月18日(月)まで
「皇帝の離宮の宝物:ツァールスコエ・セロー」

アレクサンドル2世のパイプ、琥珀の装飾品の傑作、皇帝のソリ、武具や家具。ペテルブルグの博物館・自然公園「ツァールスコエ・セロー」から皇帝一族の所蔵品400点余りが展示される。中には初公開の資料もある。
展示会の開催期間: 2025年10月~2026年3月
モスクワ、国立A.S.プーシキン記念美術館
「バリャチンスキー家博物館 17~19世紀のヨーロッパ美術」

1917年の革命後、バリャチンスキー公爵家が所有していた世界最大級の古美術コレクションは国有化された。それらの傑作美術品の多くはモスクワのプーシキン美術館の所有となり、残りの大部分はペテルブルグのエルミタージュ美術館をはじめ国内各地の博物館に分散した。それ以後初めて、コレクションから西欧の名画の数々が一堂に会することになった。
展示会の開催期間: 2025年10月28日(火)~2026年2月15日(日)
「ドミートリー・クラスノペフツェフ生誕100周年記念展」

展示の目玉は、ソ連の非公式美術の大家による代表的な抽象静物画の数々。展示品の多くは、AZミュージアムやPrometheus Art Foundationなどの民間からの出品である。
展示会の開催期間: 2025年秋開始予定
カリーニングラード、トレチャコフ美術館
「トレチャコフ美術館 ロシア美術の500年」

イリヤ・レーピンやワレンティン・セローフの筆による肖像画、イサーク・レヴィタンやアルヒープ・クインジの風景画、カジミール・マレーヴィチのシュプレマティスム絵画、アヴァンギャルド美術の代表作などなど。カリーニングラードの分館のオープン記念展では、トレチャコフ美術館本館の常設展から、代表的傑作300点近くが展示される。
展示会の開催期間: 2025年夏開始予定
モスクワ、トレチャコフ美術館
「カール・ブリューロフ。ローマ、モスクワ、ペテルブルグ」

生前から「天才」の誉れ高かった、ロシアでもっともヨーロッパ的な画家ブリューロフ。彼は長くイタリアに暮らしていたため、その作風にはルネッサンスの画家たちの影響も顕著である。大傑作『ポンペイ最後の日』も、イタリアで描かれたもの。ブリューロフの生誕225周年の今年、彼の代表作の殆どが集結。こうした絵画の主な舞台は、彼の生涯に深く関わっていた都市、すなわちローマ、モスクワ、ペテルブルグである。
展示会の開催期間: 2025年6月開始予定
「イリヤ・マシュコフ。アヴァンギャルド。キッチュ。古典」

ロシア・アヴァンギャルドの代表的作家の一人にして、アート集団「ダイヤのジャック」の共同創設者イリヤ・マシュコフ。その巧みな色彩の技にフォーカスした回顧展。カダシェフスカヤ河岸通りの新館で開かれる展覧会には、滅多に公の場に姿を現さなかったマシュコフの写真記録も多数展示される。
展示会の開催期間: 2025年6月開始予定
モスクワ、クレムリン博物館
「優雅な食卓。古代中国の食の歴史」

クレムリンで展示されるのは、中国皇帝が使用した、日常用と礼式用の食器、美しい巻物や装束、楽器やテーブルゲームなどなど。これら中国の国立博物館の所蔵品は、それまで国外に出た事の無い品ばかりだ。
展示会の開催期間: 2025年4月11日(金)~8月17日(日)
モスクワ、文化会館«GES-2»
「リナ・ボ・バルディ」

リナ・ボ・バルディは、ブラジルを代表するモダニズム建築家。2021年にはヴェネツィア・ビエンナーレ建築展で金獅子賞を受賞している。今回、初めてロシアで作品が展示される。会場は、レンゾ・ピアノの設計による文化会館«GES-2»。インスタレーションは「ガラスのイーゼル」におさまって、あたかも空中を漂うかのように陳列されるなど、展示方法にも趣向が凝らされている。
展示会の開催期間: 2025年夏開始予定
モスクワ現代美術館MMOMA
「ボリス・メッセレル回顧展」

演劇の舞台装飾の素描、初期の線画、そして後期の抽象画と、生きる古典とも言える作家の創作の軌跡を振り返る展示。画業はもちろん、ボリショイからソヴレメンニクまで、モスクワの数多の劇場と仕事をしてきた舞台美術家としての側面にも注目している。
展示会の開催期間: 2025年6月開始予定
サンクトペテルブルグ、国立ロシア美術館
「ヴィクトル・ヴァスネツォフ生誕175周年」

『灰色の狼に乗ったイワン王子』、『アリョヌシュカ』、『空飛ぶ絨毯』、『カエルの王女』など、ロシアの物語美術の大家が遺した作品の数々が、ロシア各地の美術館から集められた。民間伝承に題材をとる傑作がロシア美術館の特別展で一堂に会する。
展示会の開催期間: 〜2025年6月23日(月)まで
「我らのアヴァンギャルド」

カジミール・マレーヴィチの『黒の正方形』、ワシリー・カンディンスキーの歴史的な抽象画、マルク・シャガールのメランコリックな作品、リュボーフィ・ポポーワの立体未来主義作品、などなど。ペテルブルグで開催される大規模展覧会でロシア・アヴァンギャルドの傑作が400点以上も集結予定。
展示会の開催期間: 2025年6月18日(水)開始予定
サンクトペテルブルグ、国立エルミタージュ美術館
「肖像画美術。個人と時代」

アルタイ地方の古の仮面、古代エジプトの彫像、ルーベンスやブロンズィーノをはじめルネサンスとバロックの大家たちによる肖像画、そして現代作家たちの作品まで。何百年の間に、肖像画というジャンルがどのように変化を遂げてきたか、その進化の過程をじっくり見られる展示。
展示会の開催期間: 2025年12月8日(月)~2026年3月29日(日)
「驚愕のミケランジェロ»とその同時代人たち。巨匠の生誕550周年」

ロシアにある唯一のミケランジェロ・ブオナローティの作品は、エルミタージュ美術館が所蔵している。かつてエカテリーナⅡ世が入手したこの彫刻『うずくまる少年』が、巨匠の生誕550周年を記念する展覧会の展示の中心となる。
展示会の開催期間: 2025年4月26日(土)~8月24日(日)
「アール・デコのファッション」

ビーズのドレス、幾何学模様のアクセサリー、画家やデザイナーによる絵画、そしてフランスのアール・デコスタイルのシンボル的存在である、セルロイド製のヒールの靴。これらが、エルミタージュ美術館の展覧会の主役となる。ナジム・ムスタファエフのコレクションを展示の中心に、マティスの絵画などのエルミタージュのコレクションが囲む展示構成だ。
展示会の開催期間: 2025年4月30日(土)~9月7日(日)