シュティーグリッツ美術館をぜひ訪れたい5つの理由

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ここには、トロイの宝物が展示されており、博物館のフロアの1つは今でも、ペルガモン大祭壇の高浮彫りのコピーで飾られている(*この祭壇は、ヘレニズム期のペルガモン〈現在はトルコのペルガマ〉に設置されていた)。ホールを歩いていくと、各時代とその芸術様式をめぐる旅になるだろう。

1. 現行の芸術産業アカデミーの中に   

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 1876年に中央製図専門学校が設立された。設立のために、銀行家・慈善家アレクサンドル・シュティーグリッツ男爵は、当時としては巨額の100万銀ルーブルを提供した!

 必修の製図試験に合格した者は、身分、出自に関係なく、また男女を問わず、誰でもそこで学ぶことができた。数年後、ロシア初となる、装飾・応用芸術を集めた無料の公共美術館が、学校内に開設された。

 シュティーグリッツはさらに500万ルーブルを支出。生徒がさまざまな様式や時代の芸術を目にして学べるようにするためだ。ちなみに、ハインリヒ・シュリーマンが発見したトロイの宝物が初めて公開されたのはここだった。

 美術館は急速に大きくなったので、間もなく別の建物を建てることが決まった。建物は、初代校長だった建築家、マクシミリアン・メスマヘルが設計した。折衷的なスタイルのこの宮殿は、建設に 10年を要し、荘厳な開館式には、皇室の人々も出席した。 

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 現在、美術館の各ホールでは、シュティーグリッツ記念国立芸術産業アカデミーの在校生を見かけることがある。彼らは、装飾、修復の専門家や、デザイナー、画家、彫刻家の卵だ。 

2. 見事なインテリアに圧倒される

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 シュティーグリッツ美術館は、ホールの壮麗さにおいては、エルミタージュ美術館にも匹敵する。

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 まるで宝石箱のような見事なインテリア。どのホールもいずれ劣らぬ美しさだ。

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 ここでは、バチカン美術館の「ラファエロの部屋」の絵画のコピー、タイル張りの暖炉、彫刻が施された家具、ヨーロッパの大工房による磁器のコレクション等々を見ることができる。

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 最も壮観なホールの1つはロシア・ホールであり、「テレモーク」の愛称で呼ばれる。装飾が豊かで、モスクワのクレムリンのテレムノイ宮殿を彷彿させる。

3. 大展示ホールで写真を撮る

Anders98en (CC BY-SA 4.0)
Anders98en (CC BY-SA 4.0)

 サンクトペテルブルク市内で最もフォトジェニックな場所もここにある。大展示ホールだ。見事な白い石の階段と透明な屋根が特徴。19世紀末の時点では、この種のものとして最大だった。大きさは34×17メートル!ホール全体が見渡せる2階席からじっくりと鑑賞するのがおすすめだ。それから、階段で何枚か写真を撮ってみよう。 

 ちなみに、もう一つの絶好の撮影スポットが美術館入り口だ。ここには三段の鋳物灯籠があり、天使像で飾られている。それらはさまざまな種類の芸術を象徴する。

4. ペルガモン大祭壇のコピー   

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 神々と巨人族の戦いを描いた古代ペルガモンの祭壇は、19世紀末にドイツの考古学者によってトルコのペルガマ市で発掘中に見つかり、ベルリンに運ばれた。1945年、赤軍はこれをソ連に持ち去り、1954年に小エルミタージュに展示されたが、4年後にドイツに返還されたた。

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 しかしこれに先立って、アカデミーの専門家たちが、この古代の遺物の石膏コピーを制作していた。2002年に、ペルガモン大祭壇の高浮彫りの鋳造が、シュティーグリッツ美術館の大展示ホールで、その2層の周辺に置かれた。 

5. 若いアーティストの作品を鑑賞する

シュティーグリッツ・アカデミー・ショールーム
シュティーグリッツ・アカデミー・ショールーム

 アカデミーのショールームには、美術品、織物、陶器など、同校の学生が制作した作品が展示されている。ちなみに、美術館を散策していると、「シュティーグリチャン」(アカデミー学生)の作品も見かける。

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