学校生活を描いたソ連・ロシアの映画ベスト10

9月1日、ロシアでは新学年が始まり、すべての生徒が学校にやって来た。これにちなんで、学校生活を描いた最も興味深い映画と連ドラを集めてみた。

1. "Первоклассница"『女の子は1年生』(イリヤ・フレズ監督)、1948年

イリヤ・フレズ/ソユーズデトフィルム
イリヤ・フレズ/ソユーズデトフィルム

 子供向け教育映画。甘やかされて育った、わがままな女の子が、小学校1年生になり、学校のルールに慣れざるを得なくなる。友達や賢い先生たちのおかげで、彼女の性格は少しずつ変わっていく。 

2. "Республика ШКИД"『学校の共和国』(〈ShKID共和国〉)(ゲンナジー・ポロカ監督)、1966年

Sputnik
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 グリゴリー・ベルイフとL・パンテレーエフによる、同名のベストセラー小説の映画化。彼らは、いわゆる問題児を対象としたフョードル・ドストエフスキー記念学校(ShKID)の卒業生だ。映画は、1920年代初めのペトログラード(現サンクトペテルブルク)が舞台である。最新の教授法を用いて、浮浪児の再教育に取り組んでいる様子を描く。校長は、こうした子供たちに対しても、民主主義の原則を貫こうとする。

3. "Доживем до понедельника"『月曜日までお元気で』(スタニスラフ・ロストツキー監督)、1968年

Legion Media
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 この映画は、ソ連の普通の学校の3日間を、新任の若い女性教師とベテラン教師の恋愛を背景に描いている。映画は、年間最優秀作品に選ばれ、モスクワ映画祭の最高賞に加え、ソ連国家賞も受賞した。

4. "Большая перемена"『長い休み時間』(アレクセイ・コレネフ監督)、1972年

アレクセイ・コレネフ/モスフィルム
アレクセイ・コレネフ/モスフィルム

 働く若者のための夜間学校を描いた、とても心温まる4部構成の映画。中世ロシアの年代記者ネストルと同名の歴史教師が主人公だ。彼は、教育大学を卒業したばかりで、とっつきにくいが非常に才能豊かな生徒たちと真摯に向き合おうと奮闘する。生徒たちの多くは、彼よりずっと年上で、人生経験も豊富だ。

5. "Розыгрыш"『いたずら』(ウラジーミル・メニショフ監督)、1976年

Sputnik
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 未来のオスカー受賞者による監督デビュー作。クラスの生徒の半分は、パーティーのせいで試験の準備ができなかった。そこで、生徒たちは、みんなでいっしょに先生(女性)に一杯食わしてやろうと決める。つまり、その先生が、試験について予め通知しなかった、と嘘をつくことにしたのだ。が、常にそうであるように、真実は遅かれ早かれ明らかになる…。

6. "Приключения электроника"『エレクトロニクの冒険』(コンスタンチン・ブロムベルグ監督)、1980年

 子供は誰でも、自分の代わりに試験を受けてくれる分身がいてくれたらなあ…と夢見るが、少年セリョージャ・スイロエジキンには、ロボットの分身、エレクトロニクがいる。エレクトロニクは実に多くのことを知っている。しかし、人間の世界に入ってみると、エレクトロニクは、自分が人間になれないことに心を痛める…。

 素晴らしい歌も添えられた、最も人気のある子供向け映画の一つだ。歌の中でもとくに「翼のついたブランコ」は、カルト的な人気を博した。

7. "Вам и не снилось…"『あなたは夢にも思わない…』(イリヤ・フレズ監督)、1981年

Legion Media
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 十代の恋を描いた感動的なメロドラマ。ソ連版のロミオとジュリエットとも言うべき二人の高校生は、母親の禁止をよそにデートを繰り返す。しかし結局、二人は騙されて、引き離されてしまう。物語は、危うく悲劇的な結末を迎えるところだった…。

8. "Чучело"『転校生レナ』(〈かかし〉)(ロラン・ブイコフ監督)、1983年

Legion Media
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 ソ連末期には、「буллинг」(いじめ)という言葉はまだ存在していなかったが、この映画はまさにいじめを描いている。6年生の少女がクラスメイトの残酷な仕打ちに直面する。ソ連の学童が模範的なピオネール(*共産党の少年団およびその団員)としてではなく、敵役として映画に登場したのはこれが初めてだった。世間からは、映画の上映禁止を求める声さえ上がった。

9. "Гостья из будущего"『未来からの来訪者』(パーヴェル・アルセノフ監督)、1984年

P.アルセノフ、ゴーリキー映画スタジオ
P.アルセノフ、ゴーリキー映画スタジオ

 原作は、キル・ブリチョフの『アリサの冒険』シリーズの一つ、『100年の彼方』。ソ連の普通の男子生徒が、2084年にタイムスリップし、アリサ・セレズニョワという少女とともに、宇宙海賊と対決する。

10. "Географ глобус пропил"『地球儀を酒代にした地理教師』(アレクサンドル・ヴェレジンスキー監督)、2013年

アレクサンドル・ヴェレディンスキー/クラースナヤ・ストレラ映画スタジオ
アレクサンドル・ヴェレディンスキー/クラースナヤ・ストレラ映画スタジオ

 アレクセイ・イワノフの同名の小説を映画化した。いつも酔っぱらっている、ペルミの地理教師は、不良だらけのクラスを持て余している。ある日、彼らはいっしょに川下りに出かけるが、道中で待ち受ける困難など知る由もなかった。

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