ゴルバチョフは何に対してノーベル平和賞を受賞したのか

Pascal Le Segretain/Sygma / Getty Images
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ソ連は彼の指導のもとで変革を遂げ、そして崩壊に至った。

 1990年10月15日、ソ連の最初にして唯一の大統領であったミハイル・ゴルバチョフ氏が、「平和プロセスにおけるその主導的役割に対して」ノーベル平和賞を受賞した。

セルゲイ・グネエフ / Sputnik
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「イデオロギー、宗教、歴史、文化の違いを超えて、国際社会が共通の課題に取り組むための新たな道を切り開いた。」委員会はこう述べていた

「ペレストロイカ」の改革者

アレクサンダー・マカロフ / Sputnik
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 1985年にソ連共産党中央委員会書記長(事実上の最高指導者)に就任したゴルバチョフ氏は、1990年から1991年にかけて唯一のソ連大統領を務めた。大改革「ペレストロイカ」を始動させ、グラスノスチ(情報公開)に踏み切った。

セルゲイ・グネエフ / Sputnik
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 世界は確かに、ゴルバチョフを、軍拡競争を止め、地政学的および環境的な大変動を防ぐために「悪の帝国」を同盟者に変えた男として記憶している。「外交の新思考」を宣言し、ドイツの再統一とアフガニスタンからのソ連軍撤退のプロセスを始めたのは彼だ。 一方で、ゴルバチョフ氏のノーベル賞受賞は、ソ連国内では大きな議論を呼んだ。多くの国民は、彼の進めた急激な改革が経済混乱と国家の解体を招いたと捉えていた。

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