ロシアのマドンナたち:画家が描く、赤子を抱えた女性像

クジマ・ペトロフ=ヴォトキン 『母親』、1913年 ロシア美術館
クジマ・ペトロフ=ヴォトキン 『母親』、1913年 ロシア美術館
ロシアにおいて、赤子を抱える若い女性という表象は非常に古くから存在する。初期のイコン画家たちは、玉座に座る、あるいは立像の聖母子像、授乳し、あるいは優しく抱きしめる聖母子像を描いた。

 19世紀と20世紀の画家たちは概ね宗教的なテーマから離れてはいたが、救世主を抱く聖母のイメージは保持し続けており、妻や姉妹やモデルを描く際にそれが反映された。ヴィクトル・ヴァスネツォフは聖母子のフレスコ画を描くにあたり、妻と息子を原型とした。移動派のニコライ・ヤロシェンコは小さな息子を連れて徒刑に送られる母親を「牢獄のマドンナ」として描いた。イワン・クラムスコイは子供を悼む母親像を描いた。独学で絵を学んだフェドート・スィチコフは姉と幼い甥のポートレートを描くにあたり、古典的な聖母子像のイメージを利用した。

オレスト・キプレンスキー 『母と子』、1809年 国立トレチャコフ美術館

国立トレチャコフ美術館
国立トレチャコフ美術館

アレクセイ・ヴェネツィアノフ 『乳母と赤ん坊』、1831年 国立トレチャコフ美術館

国立トレチャコフ美術館
国立トレチャコフ美術館

カール・ブリューロフ 『赤ん坊の泣き声で目を覚ます母親』、1831年 ロシア美術館

ロシア美術館
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コンスタンチン・マコフスキー 『穀物刈取り人の女』、1871年 ロシア美術館

ロシア美術館
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イワン・クラムスコイ 『遣る瀬ない悲しみ』、1884年 国立トレチャコフ美術館

国立トレチャコフ美術館
国立トレチャコフ美術館

ヴィクトル・ヴァスネツォフ 『生神女と赤子』、1887年 ロシア美術館

ロシア美術館
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ニコライ・ヤロシェンコ 『どこにも命あり』、1888年 国立トレチャコフ美術館

国立トレチャコフ美術館
国立トレチャコフ美術館

フェドート・スィチコフ 『女性と子供 姉の肖像』、1903年 S.D.エリジャ記念モルドヴィア共和国立美術館

S.D.エリジャ記念モルドヴィア共和国立美術館
S.D.エリジャ記念モルドヴィア共和国立美術館

ボリス・クストーディエフ 『赤子の水浴(朝)』、1910年 ロシア美術館

ロシア美術館
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クジマ・ペトロフ=ヴォトキン 『母親』、1913年 ロシア美術館

ロシア美術館
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クジマ・ペトロフ=ヴォトキン 『母親』、1915年 ロシア美術館

ロシア美術館
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クジマ・ペトロフ=ヴォトキン 『ペトログラードの1918年』、1920年 ロシア美術館

ロシア美術館
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アレクサンドル・デイネカ 『母』、1932年 国立トレチャコフ美術館

国立トレチャコフ美術館
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