ソ連時代によく作られた食欲をそそるスパイシーなビーツのキャビア

ソ連時代によく作られた食欲をそそるスパイシーなビーツのキャビア
Yulia Mulino
 ビーツのキャビアはビーツ、数種の野菜、オリーブオイル、基本的なスパイス類でつくるスプレッド。それらを混ぜ合わせれば、トーストや魚料理にぴったりのスパイシーなヴィーガンアペタイザーができあがる。

 ロシア料理では、野菜のキャビアというのは極めて一般的だ。このようなキャビアは魚卵とはまったく関係なく、大量の野菜を刻んだものである。中でももっとも有名な野菜のキャビアは、カボチャとナスで作るものだ。しかし、あまり知られていないが、ビーツからも、香りがよくジューシーなキャビアができ、とても便利に使うことができる。

 ビーツのキャビアはビーツにタマネギや炒めたニンジンを加え均質に作られたもの。時には、パースニップかセロリが加えられる。ここでは、酸味をつけ、色を良くするためにトマトペーストも使ってみる。

 通常この料理で使うビーツは、まず茹でてからスパイスを加え、油で炒める。しかし、ここでは違ったやり方をする。つまりいきなり生のビーツを炒める。こうすれば、時短になるし、ビーツのジューシーさを保つことができる。

 ソ連時代には、ビーツのキャビアは缶詰で食料品店で売られていたが、家庭でも作られていた。私の家庭では、おばあちゃんが好きでこれをよく作っていた。四旬節の断食期になるとこの料理はよく食卓にのぼっていたものだ。

 ビーツのキャビアの作り方はとても簡単で、時間もかからない。それに使い方もさまざまだ。アピタイザーとして供される時は、柔らかい焼きたてのパンとともに出される。また、魚料理の付け合わせとしても最適で、マッシュポテトと食べてもおいしい。それだけでなく、ボルシチの前菜にもなる。このビーツのキャビアを上手につくることができれば、ビーツが得意でない人もたちまち好きになるだろう。

 まず、ニンジンとタマネギを炒めることによってこの料理をジューシーにすることができる。タマネギを油で炒めて飴色にすればするほど、キャビアは甘くなり、艶が出る。このタマネギは別に炒めて、あとでニンジンと合わせる。こうすれば、煮るよりもタマネギをおいしく調理することができる。私はローリエの葉をいれてビーツの風味を消すようにしている。そして、少量の酢と胡椒を加えることによってビーツに香りづけをする。

材料(4人分):

ソ連時代によく作られた食欲をそそるスパイシーなビーツのキャビア
Yulia Mulino
  • ビーツ(大) 2個
  • にんじん 1本
  • 玉ねぎ 1個(それより多くてもよい)
  • トマトペースト 大さじ1
  • 酢(4%) 大さじ1
  • 塩、胡椒 お好みで
  • ローリエ 1枚
  • 植物油(調理用)
  • パン

作り方:

1. 玉ねぎは薄くスライスし、植物油で炒める。油は多ければ多いほど、玉ねぎが柔らかくなるが、少なめでもよい。祖母の作るキャビアはいつでもたっぷりの油のおかげで光っていた。

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2. 玉ねぎが透明になったら、おろしたにんじんを加える。

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3. 柔らかくなるまで炒めたら、塩を加える。

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4. 別のフライパンでおろしたビーツを油で炒める。

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5. トマトペースト、胡椒、ローリエを加える。

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6. 沸騰させたお湯を加えてトマトペーストを薄める。ビーツを10〜15分煮込む。

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7. 野菜とビーツを合わせる。

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8. 5分ほど炒める。

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9. 酢を加えてかき混ぜたら、火から下ろす。

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10. すぐに食べても、翌日食べてもおいしい。パンまたはパセリやコリアンダーなどを添えてもおいしい。保存する場合は冷蔵庫に入れること。

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11. ビーツのキャビアを香りのよい新鮮なパンに乗せるとおいしくいただける。どうぞ召し上がれ!

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