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「エンドウ豆のプディング」として知られる、古いロシアの軽食「豆のコロトコイ」(レシピ)
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ロシアでエンドウ豆についての記述が初めて登場したのは12世紀のことで、16世紀のドモストロイ(家庭における日常生活のルールブック)には多くのエンドウ豆料理が紹介されている。このことから、当時エンドウ豆はすでにロシアの食事において重要なものになっていたことがわかる。
エンドウ豆は今日では2種類の豆―グリーンピースと乾燥スプリットピースが主流となっている。ロシアは、乾燥エンドウ豆の生産においては世界でも最大生産地のひとつである。そして、「豆のコロトコイ」はこの乾燥エンドウ豆を使ってつくられる。
この料理の名前を聞いて驚いてはいけない。しかし現代ロシア人の耳にもこの名は変わって聞こえる。コロトコイの意味は「ひとかたまり」。このエンドウ豆のピューレを使った料理がなぜ、固いまま、すなわち「コロトコイ」なのかを知るのはとても興味深い。
エンドウ豆を料理する方法として最も一般的なのは濃厚な豆スープにすることである。エンドウ豆を長時間煮ると濃厚なピューレができる。このピューレは、でんぷん質が多く含まれているため、熱いうちはどろどろの液体だが冷めると固まる。この特質のおかげで「豆のコロトコイ」となるのだ。
昔は、この料理は肉や魚料理の付け合わせとして出されていた。しかし、エンドウ豆自体高たんぱくであるので腹持ちがとても良い。そのため、ここで紹介する料理も単独で提供することができる。
この料理はヴィーガン向けの前菜か軽食にも適していて、特に精進期には特に良い。
この料理の基本材料は乾燥スプリットピースと根菜だ。ニンジンは甘味を加えてくれ、タマネギとニンニクは風味をつけてくれる。香りをよくするためにはパースニップとカブを加えると良い。さらに香りを加えるには、もちろん、ローリエ、ペッパー、クミン、乾燥ニンニクなどのスパイスを入れる。
最高の「豆のコロトコイ」をつくるには時間がかかる。まず、最初にすることは、エンドウ豆を冷水に24時間浸すこと。これは調理時間を短くするのにとても重要な工程である。このときに水を定期的に変えることを忘れないようにする。
次に、エンドウ豆を完ぺきに調理するには、時間をかけて茹で上げる必要がある。エンドウ豆の種類によって煮る時間は違うが、ここで使うエンドウ豆だと長時間煮ても形状が残ったままになるため、ハンドブレンダーを使ってピュレ状にする。
最後に、このエンドウ豆ピュレを安定させるために、冷蔵庫に入れてできればひと晩置く。もうひとつ大切なことは、型はシリコン製を使うことだ。そうすれば、取り出すときに形を崩さずに簡単に取り出すことができる。
このエンドウ豆プディングは脂肪分や油分を含まないでとてもクリーミーな質感であるのだが、ここではジューシーさを少し加えるため、エンドウ豆によく合う根菜をローストして油に浸している。このエンドウ豆料理を出すときにはクルトンかブルスケッタを合わせれば良い。
材料(前菜6〜8皿分):
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- 乾燥黄エンドウ 200g
- ニンジン 1本
- パースニップの根 1本
- カブ 1個
- セロリ 1本
- タマネギ 1個
- ニンニク 2片
- オリーブオイル(調理用)
- 塩 適宜
- コショウ 適宜
- ローリエの葉 1枚
- 乾燥ガーリック/クミン/コリアンダー 小さじ1
作り方:
1. 豆は冷水に浸け、24時間置き、豆をふやかす。定期的に水を変えること。
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2. 24時間経ったら、ニンジン1/3本、タマネギ 1/3個、パースニップ 1/3本、カブ1/2個、ニンニク1片をブレンダーにかける。
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3. 野菜とふやかした豆を水(1リットル強)を加えて鍋に入れ、塩、コショウ、ローリエの葉、スパイスを加える。
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4. 弱火にかけ、蓋をして、豆が柔らかくなるまで煮る(豆の種類や特徴にもよるが、およそ3時間)。豆を焦がさないよう水量に注意すること。反対に煮汁が多すぎる場合は余分な水分を取り出す。
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5. ハンドブレンダーで豆をピュレ状にする。
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6. 豆がくっつかないよう型に油を塗る。
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7. ピュレ状の豆を型に流す。底に空気が入らないよう、軽く押す。豆が冷めたら、型を冷蔵庫に入れ、一晩置く。
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8. 残りの野菜は小さな角切りにする。
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9. 塩を少々ふりかけ、柔らかくなるまで炒める。盛り付けたときに、飾る。
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10. 型をそっと裏返して、盛り付けるお皿の上に直接出す。
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11. 野菜、ハーブ、クルトン(白パンでも黒パンでも)を添える。
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