「はい、いいえ、おそらく」ロシア語の曖昧な「ノー」を読み解く
ロシア語の「はい、いいえ、おそらく(Да нет, наверное)」は、翻訳者泣かせのフレーズとして知られている。肯定・否定・推量という、いわば相反する要素が一つの文に同居しているからだ。
一見すると、「はい?いいえ?おそらく?どっち?」と混乱しそうが、実はこのフレーズ、控えめな否定を表す定型句である。つまり、相手の提案や質問に対して「いいえ」と言いたいけれど、ストレートすぎる否定を避けたいときに使われる。「はい」はここでは強い意味を持たず、日本語の「まあ」「うーん」に近い感覚。