「週に7つの金曜日がある」ってどういう意味?

キラ・リシツカヤ(写真:Christian Ohde, Hartmut Schmidt/imageBROKER.com/Global Look Press; freepik.com)
キラ・リシツカヤ(写真:Christian Ohde, Hartmut Schmidt/imageBROKER.com/Global Look Press; freepik.com)
「あの人には週に7つの金曜日がある」(ロシア語:У него семь пятниц на неделе)——そう言われたら、その人が信頼できるかどうか、ちょっと注意が必要かもしれない。

 この表現は、約束を守らず、しょっちゅう言動を変える人を指すロシア語の言い回しだ。日本語で言えば「口先だけの人」や「言うことがコロコロ変わる人」に近いニュアンス。

 この表現が生まれたのは18世紀。当時、金曜日は「市場の日」とされ、人々が買い物や取引のために集まる日だった。また、金曜日は借金の返済や商品の支払いの締め日でもあった。

 ある種のずる賢い人々は、支払いを別の日にすると約束しては、「次の金曜日には必ず払う」と何度も繰り返していたそうだ。つまり、彼らにとっては1週間がすべて金曜日のようなものだったのだ。

 こうした背景から、「週に7つの金曜日がある人」とは、約束を守らず、平気で言い訳をし、話をすぐに変える信頼できない人物を意味するようになった。

 やがてこの言い回しは、単なる取引相手だけでなく、日常的に言動が一貫しない人や気分屋な人に対しても使われるようになった。

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