ロシアで第2の国籍を持つことはできるのか?
第2の国籍か、二重国籍か?
まず、用語を確認しておこう。
二重国籍とは、両方の国が、その人を同時に自国民であり、かつ相手国の国民でもあると認める場合をいう。たとえば、両国に徴兵制度があり、その人がすでに一方の国で兵役を終えているなら、もう一方の国がその期間を「兵役済み」として認める。また、どちらの国で税金を納めるかを自分で選べる場合もある(通常は居住地と就労地による)。二重国籍が成立するのは、国と国との間に特別な国際条約がある場合だけだ。法律上、これは一方の国が相手国の国籍の法的効力を認めることを意味する。
これに対して、第2の国籍(あるいはそれ以上の複数国籍)を持つということは、それぞれの国が、その人をあくまで自国民としてのみ扱うことを意味する。したがって、その人には、国籍を持つすべての国において義務が生じる。
現時点で、ロシアが二重国籍に関する協定を結んでいるのは、タジキスタン、アブハジア、南オセチアだけだ。したがって、それ以外のすべての国の国民については、「二重国籍」ではなく、あくまで「第2の国籍」あるいは「複数国籍」と言うのが正確だ。
ロシアでは第2の国籍は認められているのか?
第2のパスポートを持つことは、ロシア国民にとっても、これからロシア国籍を取得しようとする人にとっても禁止されていない。2023年の連邦法第138号「ロシア連邦国籍について」には、そのような制限はない。
自分の最初の国籍を放棄してロシア国籍を選ばなければならないのは、最初の国の法律がそれを要求している場合だけだ。
ただし、ロシア国民は、第2のパスポート(あるいは他国の永住権)を取得した場合、取得から60日以内に内務省へ届け出なければならない(通常はポータルサイト「ゴスウスルーギ」を通じて行う)。これは、恒常的に国外に居住しているロシア国民にも当てはまる。
この義務を果たさないと、高額の罰金――最大で20万ルーブル(約44万7千円)――を科される可能性がある。しかも、それだけではない。処罰として、最大400時間の義務労働が命じられることもある。
ロシアで第2のパスポートを持つ人がさらに知っておくべきこと
もう1つパスポートを取得するということは、これからはそれぞれの国の法律に個別に従うことになる、ということを理解しておかなければならない。
税金について重要なのは、どの国で税務上の居住者になるかという点だ(つまり、12か月の暦年のうち183日を超えて居住する国だ)。税務上の居住者になれるのは、1つの国だけだ。ロシアでは、居住者は所得に対して13%から15%を納め、非居住者は30%を納める。
ただし、利点もある。たとえば、ロシアで不動産を購入する場合には税額控除を受けることができるし、売却時には外国人として30%ではなく、ロシア国民として13%を支払えばよい。
さらに、18歳から30歳までの男性が対象となる徴兵制度についても、別に注意しておく必要がある。ロシア国民が半年以上国外に住む場合には、兵務委員会に対して登録抹消の申請をしなければならない(これもポータルサイト「ゴスウスルーギ」経由で行う)。これに対して、ロシア国内に住んでいる場合には、男性はパスポート取得後2週間以内に兵役登録を行わなければならない。30歳を超える男性は徴兵の対象にはならないが、予備役には編入される。