ロシアで高等教育を受け国籍を取得するには
ロシアの教育機関の卒業生にとって最大の利点は、永住権による5年間の居住期間が満了するのを待たずに、国籍取得の申請を出せることだ。では、そのために何をすべきかを見ていこう。
通常の卒業証書と優秀卒業証書
連邦法第138号によれば、外国籍の者は、次の場合、簡略化された手続きでロシア国籍を申請する権利を持つ。
- ロシアで高等教育を優秀な成績で修了し、優秀卒業証書を取得している場合(その色から、いわゆる「赤い卒業証書」)。
- 中等専門教育または高等教育の卒業証書を取得し、かつロシア国内で自分の専門分野において少なくとも1年以上の就労経験が確認できる場合(国籍申請の時点まで)。高等教育の段階は、学士課程から大学院博士課程まで、どの段階でもよい。通常の卒業証書はロシアでは「青い卒業証書」と呼ばれている(実際に青い色だからだ)。
「赤い卒業証書」による国籍取得
「赤い卒業証書」の最大の利点は、就労経験が不要で、卒業証書を取得した直後に国籍申請ができることだ。
また、ロシア語能力、ロシア史およびロシア法の基礎知識を証明する必要もない。
重要なのは、学修形態が必ず通学制でなければならないということだ(日中課程であり、オンラインではなく、実際にロシア国内で学んでいなければならない)。また、大学は国家認定を受けていなければならない。ただし、大学そのものは私立でもかまわない。
国籍取得の法的根拠は、連邦法第138号第16条第2項第6号だ。
「青い卒業証書」による国籍取得
この場合も、ロシア語能力や、ロシア史・ロシア法の基礎知識を証明する必要はない。ただし、ロシア国内での就労経験を証明しなければならない。その就労は、卒業証書に記載された自分の専門分野に関連するものでなければならない。
国籍取得の法的根拠は、連邦法第138号第16条第2項第7号だ。
手続きの流れ
学歴によって国籍を取得する過程には、いくつかの重要な段階がある。
1.ロシアでの学業を無事に修了する
2.必要な就労経験を積む(「青い卒業証書」の所持者の場合)
3.永住権を取得する
重要な点として、5年間の永住権による居住義務は免除されるが、永住権そのものは持っていなければならない。「赤い卒業証書」の所持者は、「一時滞在許可」を事前に取得しなくても、永住権を取得できる。
ただし、留学生は在学中に、「教育用の一時滞在許可」を取得することもできる。この書類があれば、大学卒業後3年以内に永住権を取得できる。つまり、「赤い卒業証書」が取れなかった場合に備える一種の保険になる。
4.必要書類をそろえる
申請には、次の書類が必要になる。
- 国籍取得申請書(2部)
- 縦3×横4cmの写真3枚
- 永住権
- パスポートと、そのロシア語への公証翻訳
- 出生証明書と、そのロシア語への公証翻訳
- 卒業証書原本、成績証明書などの付属書類、およびそのコピー
- 就労活動を証明する書類(「青い卒業証書」の所持者の場合)
- 国家手数料の納付証明書
5.内務省に申請を提出する
内務省のサイトで、自分の地域の移民問題担当部署を選ぶ必要がある。あるいは、移民センターに行ってもよい。
ここでは指紋採取も受けなければならない。
そして、肯定的な決定が出た後は、ロシア連邦国民の宣誓を行い、ロシアのパスポートを受け取るだけだ。申請の審査期間は最長で3か月だ。
注意すべき点として、ロシアの教育機関の卒業生には、ロシア語、歴史、法の基礎に関する試験は必要ない。
また、この場合に書類を提出できるのは18歳以上の者に限られる。さらに、行為能力を有していなければならず、ロシア国内でも国外でも法的な問題を抱えていてはならない。
なお、学歴によって国籍を取得する者には、大統領令第821号は適用されない(詳しくはこちら)。