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サンクトペテルブルクの「夏の庭園」を訪れるべき5つの理由(写真特集)
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1.1時間で回れる小島にある
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「夏の庭園」は、サンクトペテルブルクの中心部に位置する同名の島にある。当初は、比較的大きなウサディツァ島の一部だったが、18世紀に運河により14の部分に分割された。そのなかで今も残るのは5つのみ。そのなかには、「海軍省島」、「新オランダ島」、「夏の庭園」などが含まれる。
2.幾何学的な庭はヴェルサイユ宮殿を彷彿させる
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フランスの宮殿の公園と同様に、「夏の庭園」は、いわゆる「平面幾何学式庭園」であり、幾何学的な整然たる規則にのっとって造られた。その敷地は、緑の壁を形作るボスケ(人工の木立)で分割されている。それがさらに、整った真っ直ぐな小道で区切られ、そこにイタリアの巨匠たちによる彫像が置かれている。
彫像の収集は、サンクトペテルブルクを建設したピョートル大帝(1世)のもとで始まっている。たとえば、1720年に、ここにロシアで初めて古代の彫像が設置された。紀元前2~3世紀のヴィーナス像であり、教皇クレメンス11世がロシア皇帝に贈ったものだ。
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しかし、現存する彫像は約90体だ。庭園に置かれているのはそのほとんどが正確なコピーであり、オリジナルは近くのミハイロフスキー城に保管されている。
3. サンクトペテルブルク最初の噴水群
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ピョートル大帝は、観艦式や噴水など「水」に関連する娯楽が大好きだった。そのため、「夏の庭園」には噴水が多数あり、そのいくつかは現存する。
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たとえば、「中央の並木道」には、「女帝の噴水」があり、ここでエカチェリーナ1世(大帝の妻で、夫の死後に即位した)は、女性たちを謁見した。
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「ピラミッド」と呼ばれる噴水もある。女帝は、庭園にピラミッド型の噴水を望んでいた。
4. 詩人プーシキンの散歩コース
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19世紀以来、この庭園は、市民のお気に入りの散歩コースだ。ここを訪れた人のなかには、詩人アレクサンドル・プーシキンもいる。詩人は、そこを自分の庭と呼び、心地良い場所だと感じていた。「私は眠りから覚めて、ローブをまとい、靴を履いてそこへ行く。昼食後はそこで寝て、本を読んだり書いたりする」。
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ちなみに、彼の韻文小説『エフゲニー・オネーギン』の同名の主人公は、家庭教師に「夏の庭園」へ散策に連れていかれる。
5. ピョートル大帝の「夏の宮殿」を見学
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サンクトペテルブルクで最初の石造りの建物の1つは、オランダ風の「夏の宮殿」だった。皇帝は、亡くなった1725年まで、毎夏ここで過ごした。彼は1階に住み、2階は妻エカチェリーナにあてがわれていた。今、ここには博物館が置かれている。
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ちなみに、宮殿の隣には「赤い庭園」がある。ハーブや薬用植物が栽培されている菜園であり、ロシアで初めてジャガイモが植えられたのはここだ。花や植物が整然と並んでいる様子を、今も目にすることができる。近くのカフェの夏場のベランダからの眺めはとくに快い。