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ロシアのスキーリゾート10選
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ロシアでは20世紀中盤に近代的なスキーリゾートの建設が始まり、その多くは現在も営業している。より新しいものは、2014年のソチ冬季オリンピックへの関心が高まる中で開業した。スイスのコンサルティンググループLaurent Vanatによると、ロシアには現在354のスキーリゾートがある。もっとも、これはリフトが1基だけ、あるいはゲレンデが1km未満のような小規模なものも含む数字である。
一方ロシアの国家登記簿には、58のリゾートに、公式の競技会が開催可能な445のコースが登録されている。その中から、ベストなものをご紹介しよう。
1.「クラスナヤ・ポリャーナ」、クラスノダール地方
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ロシアで最も人気のあるスキー場はソチの近く、コーカサス山脈のふもとにある。シーズンは12月中旬から4月中旬まで。
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様々な難易度のコースが合計で170kmにも及ぶ、ロシア最大のスキー場。3つのゾーン(ローザ・フートル、クラスナヤ・ポリャーナ、ガスプロム)に分かれており、個別のパスと共通パスから選べる。
2. 「シェレゲシュ」、ケメロヴォ州
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ロシアで2番目に多い入場者数を誇るのが、シベリアに1981年にオープンした「シェレゲシュ」である。
この地域は降雪が早く、11月上旬にはスキーシーズンが始まる。4月中旬には、水着を着て集団で滑走するイベント、Grelka Festが開催される。
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このリゾートには様々な難易度の16のゲレンデがあり、約20基のリフトが備わっている。アフタースキー用にカフェやバーもある。リゾートは近年中に拡張が予定されており、近隣に空港の建設も予定されている。
3. 「ドンバイ」、カラチャイ・チェルケス共和国
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コーカサス山脈のふもと、風光明媚なドンバイ山岳地帯にロシアで最も古い山岳リゾートがある。1920年代には全ソ連観光街道が整備され、1960年代にスキー場の建設が始まった。
この地のシンボルとも言えるのが、「空飛ぶ円盤」型ホテルだ。これはかつて、フィンランド大統領のウルホ・ケッコネンがドンバイに贈ったものだ。
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ドンバイのゲレンデは広く、極端な難所も無いので、中級レベルのスキーヤーやスノーボーダーが集う。だが、フリーライドやヘリスキーも可能だ。
4. 「アルヒズ」、カラチャイ・チェルケス共和国
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2023年11月、アルヒズは「ロシアの山岳」大賞でロシア最高のスキーリゾートに認定された。
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2013年にオープンした新しいリゾートで、最新の設備水準を誇る。特に、スキーやスノーボードの初心者にうってつけだ。初級者向けの難易度「緑」のコースが5つ、「青」も4つと多い。上級者向けには5つの「赤」コースと2つの「黒」コースも用意されている。計27kmだが、建設は今も続いている。ナイトスキーも楽しめる。北コーカサスのスキーシーズンは12月から4月だ。
5. 「エルブルス」、カバルダ・バルカル共和国
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旅慣れた人には、ヨーロッパの最高峰・エルブルス山のふもとのゲレンデも面白いだろう。初心者向けに2本の練習用コースもあり、総延長は17km。
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「エルブルス」は非常に名高いリゾートだ。最初の観光施設は1930年代に整備され、1960年代には初めてロープウェイもチェゲト山のアザウ草原に設置された。2018年にはロープウェイの上部が3847メートル地点まで延伸された。ロシア国内で最も標高の高いゲレンデも、この「エルブルス」にある。
今年、「エルブルス」は北コーカサスで最高のスキーリゾートに認定された。
6. 「ボリショイ・ヴドヤヴル」、ムルマンスク州
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キロフスク市近郊のヒビヌイに、スキーリゾートがある。その中でメインとなるのが、「ボリショイ・ヴドヤヴル」(Bigwood)。キロフスク市の中心地から徒歩15分。23のコースがあり、おおむね中級向けだ。
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シーズンは11月上旬から6月の始めまで。12月は夜間、白夜のスキーも可能だ。
7. 「ゴルヌイ・ヴォズドゥフ」、サハリン州
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ロシア最東端のスキー場。1960年、ユジノ・サハリンスクの中心部にオープンした。1972年の札幌冬季五輪に向けて、ソ連の選手のトレーニング用にジャンプ台が作られ、後にバイアスロンの競技会も開催された。
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近年、設備が一新され、「緑」から「黒」まで、様々な難易度の22のコースで滑れるようになった。9つのコースでは、人工降雪機も備わっている。
8. 「グバーハ」、ペルミ地方
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ペルミ市から200kmのウラル山脈に、人気のスキーリゾート「グバーハ」がある。最も練習に適したスキー場、最もコストパフォーマンスに優れたスキー場、ロシア最高のリゾートなど、様々な賞に輝いている。総延長18kmのコースが計18あり、その中にはフリーライドやスラローム向けのゾーンもある。
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また、「グバーハ」のスノーパークではスノーボードの技も磨ける。もちろん、他の人の技を見学することも可能だ。
9. 「アブザコヴォ」、バシコルトスタン
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ウラルのもう1つの有名なリゾートでも、春までスキーが楽しめる。13のゲレンデがあり、最も長いものは2780メートル。
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「アブザコヴォ」ではアルペンスキーに加え、専用のコースでクロスカントリースキーも楽しめる。
10. 「ソロチャヌィ」、モスクワ州
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モスクワ周辺にも、約20か所のスキー場がある。その中で最大のものが、モスクワ郊外の北部に位置する「ソロチャヌィ」で、2002年にオープンした。2023年11月には、中央連邦管区で最高のスキーリゾートに認定された。
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「ソロチャヌィ」はスノーボードとアルペンスキーの練習を始めるのに便利だ。ゲレンデの高さはわずか225メートル。10のコースがあり、全長1050メートル。リフトもあり、子供向けの練習用スロープの他、レクリエーションエリアも多い。