
モスクワ近郊のザライスク市観光:クレムリンをもつ古都の5つの見どころ(写真特集)

1. ザライスクのクレムリンを訪れる

これほど良好な保存状態のクレムリン(城塞)を、モスクワのそれ以外に、いくつご存じだろうか?街の入り口で早くも、この要塞の雄姿に感動するだろう。その城壁は、クリミア・タタールその他の敵の攻撃に何度も耐え、占領されることはかつてなかった。
2. イコン「ザライスクのニコライ」

クレムリンの聖ニコライ大聖堂には、ミラのニコラオス(奇蹟者聖ニコライ)のイコンがある(通称は「ザライスクのニコライ」)。伝説によると、13世紀にこのイコンは、聖ニコライその人の祝福を受けて、ザライスクにもたらされた。すなわち、ニコライは、ケルソネソス(現代のクリミア半島のヘルソン)に住む司祭の夢に現れ、自身のイコンをリャザンに運ぶように命じたという(リャザンは、ザライスクに近い)。

多くの人がここを訪れ、この聖象に礼拝した。そのなかには、イワン雷帝(4世)、大動乱(スムータ)の時代にポーランド軍に勝利したドミトリー・ポジャルスキー公、皇帝アレクサンドル2世が含まれる。
3.先史時代の野牛像

ソ連時代にザライスクで、旧石器時代の遺跡が見つかった。そして、2001年の発掘中に、ユニークな遺物が発見された。約2万2千年前(!)のマンモスの象牙で作られた、野牛の置物だ。学芸員らによると、これに匹敵するものは世界のどこにもないという。ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館で、先史時代の遺物を集めた大規模な展示会が開かれたが、そのカタログの表紙に「立っていた」のは、まさにこのザライスク・バイソンだった。
4. 名産の蜜入り菓子パン

ロシア各地では、小麦粉と蜂蜜から独自の珍味が作られた。さまざまな蜜菓子、蜜入り菓子パンの類だ。ザライスクの蜜入り菓子パンは、19世紀から知られている。ザライスクのクレムリンからほど近い、ロシア初の「コブリジェチナヤ」(蜜入り菓子パン屋)で、今日では、さまざまなスパイスを用いたパンを味わうことができる。
特別な菓子パン「フェージャ(*フョードルの愛称)の楽しみ」は、文豪フョードル・ドストエフスキーを記念している。ドストエフスキー家の旧領ダロヴォエは、ザライスク近辺にある。
5. 給水塔に昇ってみる

高さ29メートルの給水塔も、地元のランドマークであり、市内で最も高い場所の1つだ。頂上まで昇ると、街全体が見渡せるだけでなく、30キロメートル近くまで見晴らせる。

赤レンガの塔は、1916年に建てられた。かつては、市内の半分に水を供給していた。今も内部には、古風な水槽が残っている。
おまけ:ロシア各地の現代絵画を見る

ザライスクは、豊かな文化遺産をもつ都市だ。たとえば、オーギュスト・ロダンの弟子である彫刻家アンナ・ゴルプキナ(1864~1927年)の出身地もここ。彼女の家は、現在、博物館になっている。
最近、現代美術フェスティバル「リスタート2.0」が、ここで開幕した。革命詩人グリゴリー・マチテトの邸宅博物館では、ロシア各地の画家の作品を見ることができる。そして斬新な都市型アートスペース「TSEKH」には、地元の画家の作品が展示されている。