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これはモスクワで最も長い建物:その長さは736㍍!
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バスは、この巨大な建物を通り過ぎる際に、3か所で停車する。ロシアの首都にある最も長い建物の長さは、実に736㍍!「横たわる超高層ビル」と呼ばれるのも当然だろう。
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この建築物は、1968~1970年に建てられ、当時新しい地区だったチェルタノヴォで、最初の建物の一つとなった。その数年前、建築家フセヴォロド・ヴォスクレセンスキーは、アメリカを訪れ、摩天楼群に感銘を受けていた。そして間もなく彼は、独自の高層ビルを設計する機会を得た―ただし、水平方向のそれだったが。当初の設計では、建築家は、高層の棟を計画しており、それがこの長い建物の主な特徴になるはずだった。しかし、この案は却下された。
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Varshavskoe Shosse 125番地にある、このやや湾曲した、円弧型の建物には、電子計算技術科学研究センターが入っていた。航空機や宇宙船用のコンピュータや計算機械がここで開発された。
この建物は7階建だが、その長さのために、果てしなく続いているように見える。こうした視覚上の効果は、外装に使われた明るい素材のおかげでもある。また、コンピューターのコントロールパネルのボタンを再現したファサードパネルは、建物の壁の中で何が行われていたのかを思い起こさせる。研究所の職員は、それぞれ12の入口から入り、建物を突き抜ける廊下を通って、自分のセクションの仕事場まで歩いていった。
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ソ連崩壊後、研究所はこの場所を去らねばならなかった――現在ここには他の居住者がいる。研究センターは、従来通り、スーパーコンピューター「アンガラ」を含む、コンピューターの開発を続けている。