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カレリアの「黄金の秋」:自然が描く壮麗な風景(写真特集)

アンナ・ポポワ
ロシア北西部、フィンランド国境に接するカレリア共和国では、秋になると一面が黄金色に染まる。今回ご紹介するのは、そんな「カレリアの秋」を堪能できるルートと見どころだ。

 秋のカレリアは、初霜と濃い朝霧が立ち込める頃に冬の気配をまとい始めるが、まだ本格的な寒さは訪れていない。 まずは、湖畔の町ソルタヴァラを訪ねてみよう。北方アール・ヌーボー様式の建物が並ぶ街並みを散策し、ラドガ湖のフェリーターミナルへ。 そこから徒歩または車でパアソ山へ向かえば、標高は約79㍍ながら、周囲を一望する絶景が広がる。

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 運がよければ、観光列車ルスケアラ・エクスプレスが走る姿も見られる。

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 この地域最大の見どころのひとつが、ルスケアラ山公園。

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 ここは、かつてサンクトペテルブルクの宮殿や教会の建材として使用された大理石の採石場跡地に作られた観光公園で、現在では美しい湖が広がる景勝地として人気を集めている。

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 園内には整備された遊歩道や展望台があり、湖を上から見下ろすことができる。 地下道を下ると、巨大な岩のホール「大円柱ホール」や地底湖も見学可能。

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 山と森に囲まれたこの地には、まるで自然が意図的に配置したかのような石彫や奇岩が点在している。

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 木々の葉が黄金色に色づき、秋の陽光に照らされたその光景は、まさに「秋の王国」の名にふさわしい美しさだ。 訪れる際には、暖かい服装をお忘れなく。

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 もうひとつの絶景:ラドガ湖の島々

アンナ・ポポワ

 旅の締めくくりには、「カレリアのフィヨルド」とも称されるラドガ湖北部の諸島を訪ねてみよう。 氷河期に形成されたこのエリアには、岩でできた300以上の島が点在しており、手つかずの自然が保たれている。

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 島々には針葉樹が茂り、クラウドベリーやコケモモといったベリー類も自生。 崖の上からの眺望も素晴らしく、秋には特に澄んだ空気と色づく森が、訪れる人々の心を癒す。

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 春には、ラドガアザラシが湖面に姿を見せることもあり、運が良ければ野生動物との出会いも期待できる。

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 この地域は2017年にラドガ岩礁国立公園として保護されるようになった。

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 秋が深まるこの季節、自然と静寂の中で過ごすカレリアの旅は、都市の喧騒を忘れさせてくれる特別な体験となることだろう。