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ロシアの欧州方面で最もアクセスし易い灯台5選
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重要:ロシアでは、稼働中の灯台は国防省の所有物であり、その土地への立ち入りは禁止されている。幸い、遠距離からでも写真は撮影できる。
1. ボリショイ・ヴォルジュスキー灯台
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稼働中の灯台の中でモスクワに最も近いのは、モスクワ郊外のドゥブナ市(モスクワから北へ140km)にある。1930年代に、ドミトロフ収容所の囚人たちによって建設された。以来、モスクワ運河とイワンコヴォ貯水湖の合流点を照らしている。
この灯台の姿は、歴史をよく反映している。ソビエト構成主義スタイルの、灰色のレンガ造りの建築で、スターリン時代の記念碑のような印象を与える。中央ロシアの河川で唯一稼働している灯台という点でも、この灯台は見る価値があるだろう。
2. オシノヴェツキー灯台
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絵葉書によく登場する、サンクトペテルブルク近郊ではおそらく最も有名な灯台であろう。それは、すべてその好立地のおかげである。場所はレニングラード州のフセヴォロジュスク地区、高さ70mの灯台は砂浜に隣接しており、ラドガ湖の実に雄大な景色に灯台が美しくマッチした光景が広がっている。
3. クロンシュタットの木造灯台
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サンクトペテルブルク近郊のクロンシュタットは、数多くの灯台と堡塁で有名だ。その中でひときわ目立つのが、木造灯台だ。1888年に建設された、ロシアに現存する最古の灯台の1つである。
現在は予備灯台であり、海軍栄光都市クロンシュタットの主要なシンボルの1つとなっている。近くの埠頭には古い大砲が海を向いて安置されており、付近には駆逐艦ベスポコイヌイが停泊しており、軍事博物館となっている。
4. ソチ灯台
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歴史愛好家にお薦めしたい灯台だ。ソチのシンボルの1つであり、ロシア南部最古級の灯台でもある。その建設は露土戦争のために1874~1890年まで長引いた。フランスの技術者たちが最終的なプランに携わり、独自の光学システムを考案した。おかげで、小さな灯台であるにも関わらず30キロ先まで照らし、その光の色は1年を通して変化した。
現在、灯台の光は色を変えないが、ソチの海岸を毎晩、緑色に照らし続けている。現役の灯台なので建物内には入れないが、八角形の塔の景観を眺めることはできる。壁の一部には、内戦時代から残るライフル銃の弾痕も見られる。
5. スチルスデン灯台
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難所の散歩や、かくれんぼの愛好家にお薦めの場所だ。この灯台へはまず、サンクトペテルブルク郊外のレニングラード州を、オゼルキまで困難な道を自動車で行き、その後、草深い繁みをかき分けながら徒歩でたどり着かなければならない。スチルスデン灯台は軍事基地の敷地内にあるため、近づくことはできない。従って、灯台は遠くから眺めることになる。
しかし、困難には、それだけの価値がある。赤と白の塔は抜群の写真映えで、特に夕方、クリスタルレンズの強力なランプがフィンランド湾の海岸を照らす様子は絶景だ。