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現代まで受け継がれる帝国磁器工場のデザインとは?(写真特集)
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今年、創立280周年を迎えた帝国磁器工場。その製品はいつの時代も、時の流行や需要に応えてきた。磁器のデザインはフランスの古典デザインからアール・ヌーヴォー、そしてアヴァンギャルドな「革命的」磁器へと移り変わっていった。
そして現在でも、デザイナーは歴史的なデザインを踏襲しつつ、新たな形状や模様を考案している。また、下絵をもとに帝政時代の作品を復刻しつつ、新たなスタイルに仕上げなおしてもいる。代表的な作品をご紹介しよう。
1. 『コバルトネット』
帝国磁器工場が手掛けた最初の大規模生産計画の1つが、1752~64年間にエリザヴェータ女帝のために制作された食器セット『ソブストヴェンヌイ(自家製)』シリーズであった。金色の絵付けがなされ、透かし模様の線の重なりに小さなピンクの花が描かれている。
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200周年を迎えた1944年、デザイナーのアンナ・ヤツケヴィチが考案した新たなデザインは、まさにこのエリザヴェータ用の歴史的な食器セットに着想を得たとされている。コバルトブルーの網目模様は、「結び目」が金色のリボンで飾られている。
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このデザインは現在でも、帝国磁器工場の最も有名にして人気のある柄だ。今では他にも、コバルトネットをベースにした現代的なデザインを、赤い『スカーレット』、ピンクの『アストラ』、空色の『アズール』などの伝統的な色で制作している。
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2. 『ベルヴェデーレ』
1824年、帝国磁器工場はペテルゴフ宮殿用に『バビゴンスキー』食器シリーズを制作した。全て草花模様で、グレーの下地に金色の葉をデザインしている。
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1996年にレプリカが制作され、『ベルヴェデーレ』と名付けられた。ペテルゴフのベルヴェデーレ宮殿にちなんだ命名で、かつて19世紀にはこの宮殿にこれらの食器セットが納められた。
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3. 『ゴールデン52』
1828年、帝国磁器工場はパーヴェル1世の妻、マリア・フョードロヴナ皇后のための食器を制作した。青と緑を基調に草花模様を描き、金の線条細工が彫り込まれ、半貴石のメノウで装飾されている。皇后はガッチナの宮殿で、祝祭用としてこの食器セットを使った。
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19世紀の最初の30年ほどが、帝国磁器工場の最盛期にあたる。その頃は帝室向けに、祝祭用の食器セットを大々的に制作していた。当時へのオマージュとして、現代の帝国磁器工場は博物館の所蔵品を参考にゴールドシリーズを復活させた。
4. 『コテージ用』
1820年代末、帝国磁器工場はペテルゴフのアレクサンドリア公園にある宮殿『コテージ』専用の食器セットを制作した。美しいカップや砂糖入れは、ニコライ1世の妻であるアレクサンドラ・フョードロヴナのテーブルに並んだ。彼女は宮殿の数多いベランダでコーヒーを飲むのを特に好んでいた。
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現代の『コテージ用』シリーズは、まさにこの当時の歴史的なデザインを復刻したもの。食器にはアレクサンドリア公園の紋章である、青い盾を背景に白バラの花輪を貫く黄金の剣が描かれている。
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5. 『ゴシック風』
『コテージ』宮殿用のメインの食器セットに加え、1830年代に制作されたのが、バラをゴシック期のステンドグラス風に描いた皿のシリーズである。これはニコライ1世が好んだ、当時流行のネオゴシックスタイルを参考にしたもので、宮殿自体も同様の様式の建築である。
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現在の帝国磁器工場のプレミアムゴシックセットは、この歴史的なデザインをカップやグラスその他のティーセットに復刻している。
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