
チェブラーシカ:ロシアを代表する愛されキャラをもっとよく知る為の10項目

1. 生みの親は、作家エドゥアルド・ウスペンスキー

「チェブラーシカ - 現代科学には未知の生物、オレンジを主食とする。性質は感傷的で、際立ってモフモフであり、耳が大きい。非力だが、極めて活発」
このように描写するは、1966年にチェブラーシカを考案した、有名児童作家のエドゥアルド・ウスペンスキー(1937~2018)。生まれて結構な年月が経つが、チェブラーシカと友達のゲーナは今でも、ロシアの子供たちなら誰でも知っているキャラクターだ。
2. 名前は偶然に

ウスペンスキーによると、熱帯地方からオレンジの箱に入ってやって来たこの不思議な生き物の名前は、偶然に思いついたものだった。
「友人が、“チェブラフヌッツァ”という動詞を使っているのを聞いたのです。彼は、倒れる、とか、つまづく、といった意味で使っていました。この言葉が頭に残り、やがてキャラクターの名前に変化していったのです」
https://rutube.ru/video/b5d465c9f9a162d0d4a45e42e51c20b6/
3. 巨大な耳は後付け

チェブラーシカが見慣れた現在の姿になったのは1971年。アニメーターのレオニード・シュワルツマンがデザインした。
「原作の本では、耳について言及が無かった。最初は他の動物と同じく、頭の上に耳を描きました。その後、耳を大きくして、やがて下にずり下がって、人間のように頭の両側に付くようになりました。撮影前の人形には短い足がありましたが、人形使いにとって扱いが難しかった。そこで、足首部分だけ残して足をカットしたので、チェブラーシカはさらに特徴的な姿に変わり、その後、尻尾も無くして、チェブラーシカはほぼ人間の赤ん坊のようになりました」。
と、シュワルツマンは回想する。
4. 親友、ワニのゲーナ

原作とアニメのもう1人のメインキャラクターが、「動物園でワニとして働いている」ワニのゲーナである。この、「温和な性格と緑色の外見」のキャラが、当初の原作『ワニとゲーナとおともだち』の主人公だった。
5. 海外版チェブには別の名前も

ウスペンスキーの原作は、早い時期から外国語に翻訳されるようになった。チェブラーシカとゲーナの物語は英語、ドイツ語、イタリア語、日本語、その他多くの言語に訳され、現在では20か国語を超える。国によって、チェブラーシカの名前も変更されている場合がある。イギリスでは、Topple、ドイツでは Plumps、スウェーデンでは Drutten、フィンランドでは Muksis という名だ。
6. 日本では特に人気が高い

「2000年代初頭に日本から、チェブラーシカのオリジナルアニメ制作の権利を買いに来ました。今でも、合意のために日本から脚本を送って来ますが、私がストーリーについて議論すると、大変喜んでくれますね」
と、ウスペンスキーは語っていた。
日本では何編かのチェブラーシカのアニメが公開されたが、その中にはソ連版アニメのリメイクもあれば、日本オリジナルのシリーズもある。
7. スポーツ選手のマスコット

60年の間に、チェブラーシカはロシアを代表するキャラクターとしてすっかり定着した。モスクワ郊外とハバロフスクには銅像が建てられてた。2004年からは、オリンピックのロシア選手団のマスコットキャラクターを務め、選手のユニフォームに合わせて毛の色も変えるようになった。もちろん、大人気のロシア土産として、ありとあらゆるコスチュームに身を包んでいる。
8. ついに普通名詞化

ソ連では、「チェブラーシカ」はついに普通名詞化した。航空機の An-72 から、自動車のザポロージェツ、さらに大型のヘッドホンまで、シルエットの似た物は何でも「チェブラーシカ」の愛称を持つようになった。
9. ポップカルチャーにおけるチェブラーシカ

キューバの革命家チェ・ゲバラの画像の人気が定着していく中、2000年代にロシアのポップカルチャーが生みだしたのが、パロディ的なキャラクター、「チェ・ブラーシカ」である。ゲバラと同じベレー帽をかぶったチェ・ブラーシカのTシャツが大量に生産されるほどの人気だった。
10. 今も映画の主役に

チェブラーシカとワニのゲーナの物語は、ソ連時代に何度もクレイアニメで映像化された。近年になって、チェブラーシカは家族向けの長編アニメーションとなって再登場した。新作アニメの第1部は2023年に公開され、第2部は2026年に公開予定だ。
エドゥアルド・ウスペンスキーはこうも語っている:
「もう、チェブラーシカの話はたくさんだ。チェブラーシカについてネット上で見つけられる情報は、全て真実である可能性がある。おとぎ話のキャラクターなのだから!」