これらの紋章の鷲は三つの頭を持っている!なぜ「三頭の鷲」なのか?

ilkercelik / Getty Images
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サンクトペテルブルクのどこかの柱に、三つの頭をもつ鷲が止まっているように見えたなら、それは錯覚ではなく、その通りなのだ!

 

Public domain
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 15世紀以来、ロシアの紋章は、双頭の鷲だった。鷲は、王権と帝権を表す王笏(おうしゃく)と、帝王の権標(十字架の付いた黄金の球)を握っている。

 Alex Fedorov/Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0)
Alex Fedorov/Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0)

 しかし、17 世紀には、ロマノフ王朝の初代ツァーリ、ミハイル・フョードロヴィチのレガリア(王権などを象徴する品)の中に…三つの頭を持つ鷲の付いた王笏があった。しかし、それは、彼の治世中に国の象徴が変わったからではない。それはすべて「視点」の問題だ。

Vyacheslav Argenberg (CC BY 4.0)
Vyacheslav Argenberg (CC BY 4.0)

 厳密に言えば、「三頭の鷲」は、どの側から見ても二つの頭が見えるように作られた結果にすぎない。例えば、宮殿広場のアレクサンドル戦勝記念柱の柵に止まっている鷲たちをよく見ると、それらが実際は三つの頭を持っていることに驚かされるだろう。ちなみに、鷲たちには三本の足があり、王笏、権標、剣を握っている。しかし、どの視点から見ても、鷲には二つの頭があるように見える。

Skif-Kerch (CC BY-SA 4.0)
Skif-Kerch (CC BY-SA 4.0)

 「三頭の鷲」は、他の建築も飾っている。冬宮の電信塔、スヴォーロフ博物館(ここの鷲には、剣と権標が二つずつある)、「血の上の救世主教会」、そしてペテルゴフ大宮殿の、紋章を戴いた建物などだ。 

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