世界を魅了するロシアの民族アンサンブル・オーケストラ10選(動画特集)
1.舞踊アンサンブル「ベリョースカ」
ベリョースカ舞踊団の代名詞とも言えるのが、「浮上歩行」。水上の白鳥のように、ダンサーが舞台の上をまるで滑って移動しているかのように錯覚させる独特の動きだ。舞踊団の創始者ナジェージダ・ナジェージディナは、民俗舞踊の輪舞から多くのインスピレーションを得た。1948年に彼女が創立した「ベリョースカ」はいつしかロシアで最も名高い、そして世界的にも有名な舞踊アンサンブルに成長した。
2.V.V.アンドレーエフ記念ロシアン・オーケストラ
ロシアの民族楽器を使ってオーケストラ形式で演奏する、初の楽団。バラライカやドムラのアルト、バス、プリマなどのバージョンがパートに分かれてオーケストラのように合奏する。こうした楽器が登場したのは、バラライカの名手ワシーリー・アンドレーエフのおかげである。彼は1888年に民族楽器を改良し、管弦楽団として編成するシステムを編み出した。こうしてアンドレーエフは、バラライカやドムラはチャストゥーシカの伴奏だけではなく、複雑な管弦楽曲も演奏可能であることを証明して見せたのである。
3.M.E.ピャトニツキー記念ロシア民族合唱団
こちらも、ロシア最古級の楽団の1つ。1911年、農民合唱団としては初めてのプロ集団のステータスを獲得した。創立者は、民俗学者のミトロファン・ピャトニツキー。彼は村から村へ旅して、民謡をその原初の形で収集し研究した。
4.北方ロシア民族コーラス
アルハンゲリスクで1926年に創立された合唱団で、現在もロシア北方の民謡や、新作歌謡を民族スタイルで歌っている。海や冬、温かい出会いなどが主なテーマ。複雑な多声歌唱と、北方方言が特徴だ。
5.クバンのコサック合唱団
1811年創立で、現在のロシアで最も古い音楽集団である。祖国と家族への奉仕を歌い上げるコサック歌謡は胸に迫るものがある。合唱団の公演は、深く印象に刻まれるだろう。
6.イーゴリ・モイセーエフ記念民族舞踊アンサンブル
1937年、世界初のプロの民族舞踊アンサンブルとして発足。イーゴリ・モイセーエフはまさしく、振り付けの天才であった。単に民族舞踊を踊るのではなく、それをベースに舞台芸術の傑作を作り上げた。アンサンブルはロシア舞踊で名を挙げたが、「世界の民族舞踊」というプログラムでも、ギリシャのシルタキやアルゼンチンの「ガウチョ」など、多くの国々の有名な演目を披露して高い評価を得た。
7.ウラルのロシア民族コーラス
ウラルの歌唱文化を紹介する、異色の鮮やかなコーラス。抒情的な歌、皮肉の効いたチャストゥーシカ、工場の労働歌などが華麗な演出で披露される。1943年、周辺の村々から個々の演者を集めてスヴェルドロフスク市のフィルハーモニー傘下で結成された歴史を持つ。
8.オムスクのロシア民族コーラス
シベリアの多様なフォークロア音楽を聴きたければ、1950年創立のオムスク・ロシア民族コーラスがおすすめだ。独特の節が魅力の民族歌謡と民族舞踊、さらに新作歌謡と舞踊も加えたレパートリーが魅力だ。
9.アカデミー合唱団ロシアの歌
1945年創立の合唱団で、舞踏団とオーケストラも抱えており、その華麗なプログラムで観客を魅了してきた。丁寧に編曲された独自色の強いフォークロアや教会音楽、民族音楽ベースのクラシック、そして現代ミュージシャンの作品まで、そのレパートリーは実に幅広い。
10.N.P.ネクラーソフ記念民族楽器オーケストラ
1945年創立のオーケストラ。アンドレーエフ記念オーケストラの場合と同様、創立者ニコライ・ネクラーソフはバラライカの名演奏家。もっとも、ネクラーソフは民族音楽の枠にとどまらず、複雑なクラシック音楽やジャズの即興をレパートリーに加えた。これら全てを、ロシア伝統のドムラやバラライカなどで演奏するのである。