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なぜレフ・トルストイはノーベル賞を拒否したのか?

トルストイは、ノーベル賞を受賞することを断固として望んでいなかった。ノーベル委員会の記録には、もし受賞者に選ばれても辞退するつもりだと、トルストイが表明していたことを示す資料が残されている。

 その理由は、主に二つあった。

 第一に、トルストイはお金を悪と考えており、巨額の賞金をどう使うかという煩わしさを背負いたくなかった。

 第二に、ノーベル賞の創設者アルフレッド・ノーベルがダイナマイトを発明した人物であることに、道徳的な嫌悪感を抱いていた。

 1906年秋、トルストイは受賞候補から自分の名前を外してもらおうと、友人であり、彼の作品をフィンランド語に翻訳していたアルヴィド・ヤルネフェルトに手紙を書いた。

「ビリュコフから聞いたのですが、コニによれば、私にノーベル賞が授与される可能性があるそうです。もしそうなれば、辞退するのは非常に心苦しいことです。ですから、あなたにはスウェーデンに何らかのつながりがあると思いますので、私が受賞しないよう、ぜひ力を尽くしていただきたいのです」

 ヤルネフェルトは返信で、トルストイの願いを関係者に伝えたと報告した。

 実はトルストイは、ノーベル文学賞に5回(1902年、1903年、1904年、1905年、1906年)、ノーベル平和賞に3回(1901年、1902年、1909年)も推薦されていた。

 しかし、ノーベル賞の選考委員会側も、さまざまな理由からトルストイの受賞を認めなかった。