カンディンスキーの名画、約90年ぶりに正当な所有者のもとへ
ワシリー・カンディンスキーが1907年、フランスのセーヴルで描いた『色彩豊かな生活』。農民や巡礼者、戦士、恋人たちが登場するこの牧歌的な作品には、画家が初期に傾倒していたロシア的なモチーフと、前衛芸術の新しい潮流が融合している。
1919年、この絵を購入したのは画家のパウル・シトロエンだった。その8年後、シトロエンは親戚にあたるオランダ人コレクター、エマヌエル・レーヴェンシュタインと妻ヘドヴィヒに作品を売却した。
1930年代には、アムステルダム市立美術館(ステデリック美術館)でも展示された。しかし、ナチスが台頭すると、レーヴェンシュタイン夫妻の相続人たちはオランダから逃れ、カンディンスキーの傑作は彼らの同意なしに売却されてしまった。
その後、作品は長年にわたりバイエルン州立銀行のコレクションに収蔵されていた。
転機が訪れたのは2023年。美術品の返還をめぐる裁判を経て、作品はようやく元の所有者の家族のもとに戻った。
そして最近、この絵はオークションで3160万ポンドという高額で落札され、カンディンスキーの作品としては史上2番目に高い落札額を記録した。