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現代のイランの職人たちが織ったニコライ2世の執務室の絨毯
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自然保護区博物館「ツァールスコエ・セロー」では、かつてロシア最後の皇帝が住んでいた宮殿の内装が再現されている。
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ニコライ2世は、多くの時間を家族とともに、ペテルブルク近郊のツァールスコエ・セローのアレクサンドロフスキー宮殿で過ごした。第二次世界大戦中、この宮殿はナチス・ドイツからの攻撃により激しい損傷を受け、歴史ある内装のほとんどは失われてしまった。
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しかし現在、外観と内装を取り戻すため、大々的な修復作業が行われている。その中には細部まで、再現されている箇所もある。たとえば、ニコライ2世の執務室では、珍しい家具の一つである背もたれのないソファの修理が行われている。
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昔の資料を見ると、すべてが詳細に描写されている。とりわけ、絨毯については、「真ん中には紺色の背景に色鮮やかな草花、淡い緑色の背景に人物を描いたメダルとスタイリッシュな花が描かれ、端にふさがついたペルシャ製のベルベットの絨毯が張られていた」という表現が残っている。
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絨毯も失われてしまったのだが、イランの職人たちが古いイランの技術を用いて新しいものを製造した。彼らはトルコ結びという手法(1平方メートルあたり16万の結び目)を使い、羊毛の糸にラクダの毛を加えたものを材料に絨毯を織り上げた。
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また出来るだけ、オリジナルを本物らしく再現するべく、染料も、樫の木の樹皮、果樹、レモンの葉、いちじくなど、自然のものを使い仕上げている。