
ボリス・グリゴーリエフの目で見た「カラマーゾフの兄弟」

ボリス・グリゴーリエフ曰く、「カラマーゾフの兄弟」の小説の挿絵について、「これはドストエフスキーではなく、ロシアだ」。
ボリス・グリゴーリエフは1886年にモスクワに生まれ、その後首都サンクトペテルブルクの美術アカデミーで学び、同地でキャリアをスタートさせた。
グリゴーリエフは革命後にロシアから亡命したが、祖国は彼を捨てなかった。10年以上にわたるフランスでの生活、その後のアメリカ生活で、グリゴーリエフは「カラマーゾフの兄弟」の挿絵を描くという大規模なプロジェクトに取り組んだ。
この挿絵はただ1度だけ一般公開されている。1933年にニューヨークで展覧会が開かれたのである。しかし、アメリカの大恐慌によって、結局、グリゴーリエフの挿絵が入った本はアメリカでは出版されなかった。その後、この挿絵は個人コレクションとなり、人々の目に触れることはなかった。
現在、これらの挿絵がサンクトペテルブルクのファベルジェ美術館で開かれている「この世の最初の巨匠、ボリス・グリゴーリエフ展」で公開されている。展覧会は2024年1月28日まで開催されている。
展示されている作品のいくつかをここでご紹介しよう。
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アリョーシャを祝福する長老ゾシマ

「修道院にやってきた」

ベンチに座るスメルジャコフ

リザヴェータ・スメルジャーシチャヤ

カテリーナ・イワノヴナとドミトリー

グルーシェンカ

「自室のフョードル・パヴロヴィチ」と「窓際のフョードル・パヴロヴィチ」


まだきわめて不明瞭(イワンとスメルジャコフ)

モークロエにて

陪審員

ミーチャに幸せが微笑む(カテリーナ・イワーノヴナの尋問)
