オクローシュカ:ロシアの夏を彩る、ちょっと変わった冷製スープ

The Picture Pantry/Getty Images
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5月30日は「オクローシュカの日」。ロシア料理の中でも賛否が分かれる一品。好きになるか嫌いになるか、どちらかの感情を抱くことだろう。

 「オクローシュカ」は18世紀後半から親しまれているロシアの伝統料理。レシピは地域や家庭ごとに異なり、多様なバリエーションが存在する。

 しかし、この料理の本質はシンプル。オクローシカは細かく刻んだ新鮮な野菜に冷たい汁をかけたスープで 、名前の由来は動詞「крошить(クロシチ)」で、「細かく刻む」や「砕く」という意味である。  

 主な材料は、細かく刻んだゆで卵、季節の新鮮な野菜やハーブ。ロシアの夏の収穫物であるキュウリ、ラディッシュ、ディル、パセリ、タマネギ、青ネギなどがふんだんに使われる。野菜は多ければ多いほど美味しくなる。 

 そして、何よりユニークなのが仕上げにかける「飲み物」。昔はキュウリかキャベツの漬け汁をかけていたが 、現在は、クワスとケフィアが主に使われる。そして、毎年夏になるとロシア人の間で白熱するのが、「どんなオクロシカが一番、正統なのか?」という議論である。

  • クワスパンから作られる伝統的なロシアの発酵炭酸飲料
  • ケフィア発酵乳から作られる酸味のある飲み物

 今では、ヨーグルト、ミネラルウォーター、さらにはビールまで用いられてる。オクローシカは清涼感あふれるスープで、しかも煮なくてよいので野菜のヴィタミンが保たれる。 

 現代のレシピでは、細かく刻んだ肉やソーセージを加えることも多く、よりボリュームのある一皿に仕上がっている。

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