「オクローシュカ」は18世紀後半から親しまれているロシアの伝統料理。レシピは地域や家庭ごとに異なり、多様なバリエーションが存在する。
しかし、この料理の本質はシンプル。オクローシカは細かく刻んだ新鮮な野菜に冷たい汁をかけたスープで 、名前の由来は動詞「крошить(クロシチ)」で、「細かく刻む」や「砕く」という意味である。
主な材料は、細かく刻んだゆで卵、季節の新鮮な野菜やハーブ。ロシアの夏の収穫物であるキュウリ、ラディッシュ、ディル、パセリ、タマネギ、青ネギなどがふんだんに使われる。野菜は多ければ多いほど美味しくなる。
そして、何よりユニークなのが仕上げにかける「飲み物」。昔はキュウリかキャベツの漬け汁をかけていたが 、現在は、クワスとケフィアが主に使われる。そして、毎年夏になるとロシア人の間で白熱するのが、「どんなオクロシカが一番、正統なのか?」という議論である。