ロシア人の略語愛を探る
КГБ(KGB)、комсомол(コムソモール)、КПСС(ソビエト連邦共産党)、СССР(USSR)など、ロシア語話者はソ連時代から各種の略語には何世代にもわたって慣れっこである。略語は確かに、様々な場面で楽だ。
Главное управление по сбыту продукции лесозаготовительной и лесопильно-деревообрабатывающей промышленности(グラヴノエ・ウプラヴレーニエ・ポ・スブィートゥ・プロドゥクツィ・レソザゴトヴィテリノイ・イ・レソピリノ・デレヴォオブラバティヴァユッシェイ・プロムィシレンノスチ、木材調達・製材・木材加工業製品販売管理総局)よりも、「Главлесосбыт(グラヴレソスブィト)」の方が言いやすいのは明らかだ。よく知られる「グラーグ」も、Главное управление лагерей(矯正労働収容所中央本部)より分かりやすい。
「ロシア語は言語的な節約志向が強く、そのため略語は話し言葉と、特にネットワーク上の対話で発展している」と、Gramota.ruの専門家は略語の人気について分析している。
現在のロシア語圏インターネットでの交流は、時に暗号のやりよりを思わせる。「ЛПがЛСにメッセージをよこして、明日МЧとДРに行くと伝えた」という具合。
Университет(ウニヴェルシチェート、大学)が略されてунивер(ウニヴェル)に、общежитие(オプシェジーチエ、寮)がобщага(オプシャーガ)になって久しい。Санкт-Петербург(サンクト・ペテルブルグ)がПитер(ピーテル)に略されてしまうのは、ペテルブルグ民にとっては不本意らしいが、今ではさらにСпб(Spb)まで縮められている。
一文字ずつ発音される略語も、目立って増えた:
- "элпэ" (ЛП、エル・ペー、лучшая подругаの略、最も中の良い女友達の意)
- "элэс" (ЛС、エレス、личные сообщенияの略、ダイレクトメッセージの意)
- "эмче" (МЧ、エム・チェー、молодой человекの略、ボーイフレンドの意)
- "дэрэ" (ДР、デー・レー、день рожденияの略、誕生日の意)
また、外国語からの転写に由来する略語も数多く生まれている:лол (laughing out loud), имхо (in my humble opinion), ОМГ (Oh my God!)など。
ロシア語由来でも類似のものがある。例えば"кмк" (как мне кажется、私が思うには)。
ロシア語は非常に柔軟で、略語から新しい言葉が誕生することもある:例えば、PRすることを意味するпиариться、ショートメッセージを意味するэсэмэска(SMSから派生した指小形)、элпешка(前述のЛПの指小形)などだ。