「жи」と「ши」は、必ず「и」で書く
これはロシア語の最も基本的な規則の一つで、小学校から教えられている。
音節「жи」(例:жираф=キリン)や「ши」(例:шикарный=豪華な)を含む語は、必ず母音「и」で書き、「ы」は用いない。これは言語学者の気まぐれではない。
古代ロシア語では、「ж」と「ш」の音は軟音であり、軟音の後には自然に母音「и」が続いていたため、その形が表記として定着した。
しかし14〜15世紀になると、これらの歯擦音は軟らかさを失い、硬音へと変化した。それでも正書法は発音よりも保守的であったため、歴史的な綴りがそのまま残されたのである。