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「頭」にまつわるロシア語の慣用句9選

キラ・リシツカヤ(写真:magnific.com; Stephan Rech, Marcus Siebert/imageBROKER.com/Global Look Press)
ロシア語には、どんな場面にも対応する決まり文句がある。ここでは、その中でも、冷静さを保つこと、だまされないこと、そして失敗したときに責任を他人に押しつけないことなどに関わる表現を取り上げよう。

1.«Сломя голову» (“Slomya golovu”)

「頭を前に折るようにして/一目散に」

 どこかへものすごく速く、全速力で駆けていくことだ。

2.«На свою голову» (“Na svoyu golovu”)

「自分の頭に降りかかる形で/自業自得で」

 この表現の意味については、こちらで説明している。

3.«Как снег на голову» (“Kak sneg na golovu.”)

「頭の上に雪が降るように/青天の霹靂のように」

 何かが突然起こることについて言う。たとえば、誰かの思いがけない訪問のような場合だ。

4.«Голова идет кругом.» (“Golova idet krugom.”)

「頭がぐるぐる回る/頭が混乱する」

 文字通りには、この表現はめまいを表す。だが比喩的には、不安や心配、あるいはたとえば仕事が多すぎることによる混乱や当惑を意味する。

5.«Потерять голову» (“Poteryat golovu.”)

「頭を失う/理性を失う」

 もちろん、ここで問題になるのは恋だ。恋愛感情は人を分別なく行動させる。つまり、потерять голову(頭を失う/理性を失う)状態になるのだ。

6.«Голова садовая» (“Golova sadovaya.”)

「かかし頭/間の抜けた人」

 菜園や庭のかかしの頭は、くり抜いたかぼちゃや素焼きの壺で作られることが多い。そこから、ぼんやりしている人や、少し愚かな人が、結果を考えずに何かをしてしまったときに、皮肉をこめてこう言うことがある。

7.«Морочить голову» (“Morochit golovu.”)

「頭に霧をかける/煙に巻く」

 ロシア語で「морок」は「霧、暗闇」を意味する。相手が嘘をついたり、答えをはぐらかしたり、話題をそらそうとしていると感じたら、頭に霧をかけられている——つまり煙に巻かれているということだ。

8.«Сложить голову» (“Slozhit golovu.”

「頭を置く/命を落とす」

 ここでの動詞 “сложить” は、「死ぬ」という意味で使われている。この表現は、戦闘場面を描写するときによく用いられる。つまり сложить голову(頭を置く/命を落とす)とは、戦場で死ぬことだ。
 一方、避けようのない破滅、どうしても逃れられない死について言う場合には、не сносить головы(頭が肩にとどまらない/首が飛ぶのを免れない)という表現が使われる。つまり、頭を肩の上に保っておけない、という意味だ。

9.«Валить с больной головы на здоровую» (“Valit s bol'noy golovy na zdorovuyu.”)

「病んだ頭から健全な頭へ押しつける/責任転嫁する」

 何かの責任を、その問題の発生とは関係のない人に押しつけることだ。

 

 最後に、民衆の知恵を示すことわざをいくつか挙げよう。

«Дурная голова ногам покоя не дает» (“Durnaya golova nogam pokoya ne dayet.”)

「愚かな頭は足を休ませない」

 愚かさのために、あるいは結果を見通さないまま、もしくは慌てて、人は失敗を犯す。そして今度は、その失敗の代償を払わなければならなくなる、という意味だ。

«Одна голова хорошо, а две лучше» (“Odna golova khorosho, a dve luchshe.”) 

「1つの頭もよいが、2つあればもっとよい→三人寄れば文殊の知恵」

 解決策を一緒に探したほうが、1人で取り組むより効果的だ、という意味だ。