80年前 ソ連軍とアメリカ軍がエルベ川で出会う

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1945年4月25日、連合軍はザクセン州北西部で合流し、ドイツ軍は、二つの孤立した部隊に分断された。

 この歴史的な出会いは、突発的なものではなく、事前に準備されていた。エルベ川沿いの、この出会いの地点に最初に到達したのは、アメリカ陸軍第1軍の部隊だった。

AP
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 4月25日朝、複数の偵察隊が、ソ連の「戦友」を探すため、対岸へ渡った。午後1時半、リーザ市近郊で、アルバート・コツェブー中尉率いる部隊は、第5親衛軍のグリゴリー・ゴロボロジコ上級中尉の部隊と遭遇した。 

Georgy Khomzor/Sputnik
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 「我々は、ドイツ語でコミュニケーションした。私は、コツェブーのドイツ語を英語に通訳した。そして、ドイツ語が話せる、ロシア人の一人が、他の者たちのために、ロシア語に通訳した」。通訳のジョー・ポロウスキは振り返る。

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 米国人たちは、ソ連軍の陣地に招かれた。少し後、トルガウ市付近で、アレクサンドル・シリヴァシコ中尉とウィリアム・ロバートソン中尉の部隊が出会った。

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 当初、兵士たちは互いをドイツ兵と勘違いしていたが、米兵の一人が、「モスクワ!アメリカ!」と叫ぶと、事態は収まった。 

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 「我々は、橋を渡って互いに近づいていった。真ん中で出会い、握手をした。誰も言葉が分からなかったが、兵士たちの勘の良さのおかげで、何とか意思疎通できた」。米軍師団の司令部に招かれたシリヴァシコは、こう語っている。  

Ivan Shagin/Sputnik
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 こうして連合軍同士の連絡が確立され、4月26日にトルガウで、最高司令部の代表者の参加、祝宴、写真撮影、贈り物の交換をともなう、本格的な会合を行うことができた。 

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 このとき、ロバートソンとシリヴァシコの、一緒の写真が撮られ、「東西の出会い」と記されたポスターを背景に、世界中に広まった。二人の友情は、生涯続いた。 

Pfc. William E. Poulson/U.S. National Archives
Pfc. William E. Poulson/U.S. National Archives

 モスクワでは、この記念すべき出来事を祝って、324発の礼砲が発射された。

 

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