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サヤンのタイガに暮らすトファ人とは(写真特集)

ロシアで最も少数な民族に関する記憶は、ニコライ2世のおかげで現在に伝えられている。
トナカイに乗るトファの女性
ロシア民族学博物館

 ロシアでさえ、シベリアに先住するこの少数民族の名を聞いたことがある人は少ない。トファ人(トファラル人)は、古くはカラガス人と呼ばれた。サヤン山脈の到達困難な難所に居住する、テュルク系民族である。

儀式用の太鼓を持つシャーマンの女性
ロシア民族学博物館

 この民族については5世紀から知られており、中国やその他のアジアの諸帝国に貢物を納めていた。彼らの土地は17世紀からモスクワの支配下に入り、トファ人はロシア皇帝に毛皮で税を納めるようになった。

 トファ人は昔から人口400~500人程度を超えない少数民族で、現在でも1000人に満たない。彼らの生業は、タイガの山岳部での荷駄・騎乗用のトナカイ飼育という、極めて珍しいものだった。サヤン山脈を遊牧し、トナカイは荷駄を背負って、馬ではとうてい通れない細い山道を往来した。

狩猟者たち
ロシア民族学博物館

 1917年の革命後、ソビエト政府はトファ人により定住した生活を送るよう指導したため、その独特の生業はほぼ失われてしまった。

 その居住地域が非常に到達困難かつ人口が少ないため、トファ族については謎が多い。

 1908年、民俗学者でシベリア研究者のヴィクトル・ヴァシリエフはトゥヴァとトファラリアの調査行に赴き、日用品や狩猟具、衣類やシャーマニズムの道具を持ち帰った。

 こうした貴重な品々を、ニコライ2世がペテルブルクのロシア民族学博物館のために買い上げた。そして現在、これはトファ人に関する唯一の体系的なコレクションである。

移動式住居の前に立つ男女と子供たち
ロシア民族学博物館

*サンクトペテルブルクのロシア民族学博物館では、トファ人の生活文化を特集した特別展「トファ人。サヤンの山地の忘れられた人々」が1月末まで開催中。