厳寒と雪と魔法:外国人が見たロシアの冬

セルゲイ・ピャタコフ / Sputnik
セルゲイ・ピャタコフ / Sputnik
その極寒はおそろしくもあり、我を忘れるほど美しくもある。「ロシア・ナビ」がロシアの冬の第一印象を外国人に訊いてみた。

ダミアン、スイス

コンスタンチン・ココシュキン / Global Look Press
コンスタンチン・ココシュキン / Global Look Press

 初めてロシアの冬を体験したのは2021年のことで、とても強い印象を受けました。

 なぜか?それはモスクワが、特にその中心部がクリスマスと新年の飾りつけで、おとぎ話の世界のようになるからです。中でも赤の広場のクリスマスマーケットに魅了されました。スケートリンク、居心地の良い木造の小屋、ロシアの伝統音楽、グリューワインの香り。すべてが、おとぎ話の中にいるかのような感覚を与えました。。

 しかもその年の12月は雪が多く、それが魔法の雰囲気を強くしていました。確かに寒かったし、不慣れな気候だったけど、暖かいジャンパーを買っておけば問題ありませんでした。

ウィリアム、中央アフリカ共和国

アレクサンダー・グリシン / Global Look Press
アレクサンダー・グリシン / Global Look Press

 ロシアの冬…それは強烈で、同時に素敵な衝撃でした。到着してすぐに、最初の教訓が得られました。どんなに寒さから身を守ろうとしても、私は骨まで凍えるようでした。足先から頭まで着ぶくれていたにも関わらず、寒かった。何より、ロシア人たちが私よりはるかに軽装なのに、快適そうだったのが印象的でした。

 空港を出ると、雪に覆われた景色の美しさに圧倒されました。最初の降雪はうっとりする光景を見せてくれました。無数の雪の結晶が舞いながら、辺り一面を純白に覆っていったのです。あらゆる音が小さくなり、街角のすみずみまで柔らかくなり、世界はきらめく雪の夢の中で静止したかのようでした。

フアン、スペイン

 私にとって最初のロシアの冬は1990年2月でした。シェレメチェヴォ2空港に到着後、最寄りの地下鉄レチノイ・ヴォクザル駅までのバスを待っている間に、最初の寒さを経験しました。学生や、タクシー代を払えない人達にとって定番のルートでした。私も、贅沢ができるタイプの観光客ではありませんでした。

 よく覚えていること。初めて赤の広場を散策した時のこと。警備員の他には誰もおらず、静寂と暗闇が支配していました。大学内に入る時に上着を脱いで、出る時にまた着直すのは何分もかかる儀式だったこと。雪に覆われたイズマイロフスキー公園の、人々が踏み固めた小道を歩いたこと。地下鉄の入口に、溶けた雪の水たまりがあったこと。

ルーカス、ブラジル

 到着して、雪景色に圧倒されました。砂丘を見慣れていたブラジル人の私は、まるで別世界に来たかのようでした。初めて経験する寒さで、何層も服を着込んで寒さから身を守らねばなりませんでした。

 私は大変温かく迎え入れられました。ジャガイモ、肉、スープといった地元の料理もとても気に入り、意外なほど慣れ親しんだ味でした。

 整然とした街の清潔さ、記念像の美しさ、歴史(特に第二次世界大戦)に対する敬意、そしてロシア文化とロシア文学の豊かさは、私に深い印象を残しました。ロシアを3度訪れ、ロシア人女性と結婚もしました。

アリ、シリア

コンスタンチン・ココシュキン / Global Look Press
コンスタンチン・ココシュキン / Global Look Press

 2024年、私は初めて母国を離れて、厳しい冬で知られるモスクワを訪れました。私は、初めての海外旅行をストーブにくっつき、大量の薬を抱え、寝る時は何セットも服を着込んで過ごすのだと想像して気が滅入っていました。

 飛行機が着陸態勢に入った時、私は窓から恐ろしいほどの量の雪を見ました。今にも飛行機のドアが開き、凍てつくような空気が顔面を直撃して、苦しみが始まると身構えていましたが…そうはなりませんでした。公共サービスが路面の凍結を解消し、頑丈な壁は寒さを建物の中に通さず、どこも暖房が効いていました。

 街は美しくライトアップされ、暖色系に照らされた建物はモスクワの長い夜を彩っていました。私は寒さも忘れ、楽しい街と広々とした公園、エレガントな人々のいる生活を満喫し始めました。

ソーラブ、インド

GaudiLab / Getty Images
GaudiLab / Getty Images

 私がロシアにやってきたのは9月末のこと。まだ冬では無かったものの、私にとっては既に寒すぎました。エアコンのある部屋から出るとさらに寒く、こんな気候でどのように生きていくのか、想像もつきませんでした。

 予備学部時代は食料品の買い出し以外は外出しませんでした。1年後になってようやく、冬でも散歩に出かけられるようになりました。それから6年が経ち、私はロシアの冬にも慣れました。今では、冬は魔法のように美しくなる赤の広場を訪ねるのが大好きです。

ユンジ、中国

 ロシアの冬は、軋むような寒さと、決してとけない深い雪!湯気を立てるサモワールと、身も心も温めてくれる甘いお菓子。食器に鮮やかに盛られたボルシチと、毛皮を着たニシン。ロシアの冬は非常に厳しく、いつまでも記憶に刻まれます。