「ものさし と まなざし」:日露建築家ユニットKASAの個展が東京にて開幕

「ものさし と まなざし」:日露建築家ユニットKASAの個展が東京にて開幕
KASA / KOVALEVA AND SATO ARCHITECTS 提供
KASAは、東京とモスクワを拠点に活動する建築家ユニット。その初の個展では、国籍も性別も異なるふたりの「ものさし」と「まなざし」との間に生まれる往復運動、KASAのこれまでの歩みを主にドローイングとテキストで綴る。
「ものさし と まなざし」:日露建築家ユニットKASAの個展が東京にて開幕 日露両国で幅広く活動するKASAはロシアのアレクサンドラ・コヴァレヴァと日本の佐藤敬による建築家ユニット。
@ohatayoko提供

 ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展。1895年の第1回開催以来、連綿と続く国際的な美術の祭典のために、恒久パビリオンを現地に所有している国もある。ロシアもその1つで、ロシア館は1914年にアレクセイ・シューセフが設計した。その傑作建築を建造当初の姿に近い形で蘇らせるべく、改修設計を担当したのが、日露建築家ユニットのKASAだ。ロシア館は第17回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展で特別表彰を受賞した。

「ものさし と まなざし」:日露建築家ユニットKASAの個展が東京にて開幕
© KASA

 日露両国で幅広く活動するKASAはロシアのアレクサンドラ・コヴァレヴァと日本の佐藤敬による建築家ユニット。最近では小石川植物祭を企画して総合ディレクターを務め、好評を博した。

「ものさし と まなざし」:日露建築家ユニットKASAの個展が東京にて開幕
© KASA

 

 こうした成果も含め、KASAの2人の足跡と世界観を詩と絵、写真や建築模型で表現した初の個展「KASA展:ものさし と まなざし」が東京青山で開催されている。

「ものさし と まなざし」:日露建築家ユニットKASAの個展が東京にて開幕
石島健撮影
「ものさし と まなざし」:日露建築家ユニットKASAの個展が東京にて開幕
石島健撮影
「ものさし と まなざし」:日露建築家ユニットKASAの個展が東京にて開幕
© KASA

 展示されたキャンバスの裏に詩が綴られ、絵と併せて淡いながら包容力ある色彩に満ちた空間となっている。

「ものさし と まなざし」:日露建築家ユニットKASAの個展が東京にて開幕
石島健撮影

 同時に、否応なく自然に切り込まざるを得ない建築に対する逡巡を感じると同時に、それでもなお追及する建築の温かさを想像させる。会場に流れる小石川植物祭の映像からは、KASAの制作姿勢の原点も垣間見えるだろう。

「ものさし と まなざし」:日露建築家ユニットKASAの個展が東京にて開幕
© KASA

建築家ユニットKASAの「KASA展:ものさし と まなざし」は東京都港区のPRISMIC GALLERYにて開催中。会期は2025年3月2日まで。

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