モスクワの外務省の建築はなぜツートンカラー?

ナターリヤ・セリヴェルストヴァ / Sputnik
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このスターリン様式の高層建築は、尖塔のある部分だけ、その下よりも明るい色のように思える。実際はどうなのだろうか?

 外務省が入居するモスクワ中心部のビルは、市内に7つあるスターリン様式の高層建築の1つとして名高い。注意深く見てみると、その尖塔のある部分は、その下の部分と色合いが異なるようだ。なぜだろうか?

 1953年に建設されたこの建物は、当初の計画では尖塔が無く、建設の最終段階になって追加された。スターリン直々の指令だったとの情報もある。

デニセンコ / Sputnik 外務省の建物、1969年
デニセンコ / Sputnik

 尖塔部分を石造にすると建物上部の構造が重量に耐えられないので、素材は金属となった。そのため、他のスターリン様式高層ビルと異なり、外務省の建物の天辺には星の装飾が無い。もっとも、建物全体の色は一色だ。

 年月を経て尖塔は老朽化し、使用に耐えられなくなった。2017年には新しい尖塔に交換されたが、この際、より軽量で耐久性の高い金属が使われた。

ナターリヤ・セリヴェルストヴァ / Sputnik
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 この新しい尖塔の色こそが、本来の歴史的な建物の色なのである。その下の部分が暗い色合いなのは、長年の間に街の空気中の汚れが壁面にこびりついたためである。

 外壁の清掃は今後数年にわたって続けられる予定で、完了すれば建物は元通りの、全体が統一された色合いになる。

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