【写真で見る】修復完了:モスクワ・オスタンキノ邸宅の「エジプト・パビリオン」

オスタンキノ・クスコヴォ国立博物館保護区(オスタンキノ邸宅)
オスタンキノ・クスコヴォ国立博物館保護区(オスタンキノ邸宅)
精巧な彫刻に古代様式の装飾、スフィンクスをあしらったストーブ——修復を終えたこのパビリオンには、18世紀の貴族趣味が息づいている。

 モスクワのオスタンキノ邸宅にある「エジプト・パビリオン」が修復を終え、公開された。約10年にわたり修復作業のため閉鎖されていた邸宅が、段階的に再開される第一歩である。

オスタンキノ・クスコヴォ国立博物館保護区(オスタンキノ邸宅)
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 このパビリオンは1795年に建てられ、フォーマルな晩餐、音楽会、劇など多目的に使用できる可変式ホールとして設計された。内装を手がけたのは、パーヴェル1世の宮廷建築家ヴィンセンツォ・ブレンナ。彼はミハイロフスキー城やパヴロフスク宮殿の設計者としても知られている。

 修復は、18世紀後半の宮殿目録や歴史資料に基づいて行われた。壁や装飾、彫刻の細部に至るまで、当時の姿が忠実に再現されている。

オスタンキノ・クスコヴォ国立博物館保護区(オスタンキノ邸宅)
オスタンキノ・クスコヴォ国立博物館保護区(オスタンキノ邸宅)

 再公開を記念して、11月5日まで期間限定で展覧会「シェレメーチェフ伯爵を訪ねて」が開催中。この展示では、かつての貴族の暮らしや文化に触れることができる。

オスタンキノ・クスコヴォ国立博物館保護区(オスタンキノ邸宅)
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オスタンキノ・クスコヴォ国立博物館保護区(オスタンキノ邸宅)
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 なお、エジプト・パビリオンがあるオスタンキノ夏の宮殿は、当時の所有者であるニコライ・シェレメーチェフ伯爵のこだわりにより木造で建てられた。この素材は、彼の名高い農奴劇場に優れた音響効果をもたらすだけでなく、建設中およびその後に講堂をダンスホールへと改修する際、空間を柔軟に変化させることを目的として選ばれたものだった。

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