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モスクワ郊外のマレーヴィチ公園に新たなパブリック・アートが出現
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『森の中のマレーヴィチ』と呼ばれる公園内の散策ルートが、トレチャコフ美術館との共同作業で整備された。伝統的公園のロマンチックな雰囲気と、現代美術を融合させた新ルートである。いずれのアート作品も、決して目立つように陳列されているわけではない。むしろ、木々の緑や枝の間からチラリと顔を出すように配置されている。
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アート・デュエットの『MishMash』によるオブジェ『字幕』は、「群衆のざわめきが大きくなる」、「鳥のさえずりが聞こえる」、「不穏なメロディが流れる」などといった文字列で、無声映画や演劇のト書きを思わせる。
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同じく彼らの作品である『森の中心の神託所』は1960年代風の宇宙船を連想させる造形。ギアを回せば、散策者の悩みにも回答を出してくれる。
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アーラ・ウルバンの『輪舞』は拡声器のようにも、マレーヴィチの農民シリーズの農婦が穿いている円錐形のスカートにも見える。
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アレクサンドル・コンスタンチーノフの『水路橋』は、異次元につながるポータルを思わせる。すぐ傍まで近づかないと、存在に気付かないのが面白い。
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