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芸術的モスクワ地下鉄まとめ(写真特集)

ナジェージダ・クレーミナ / TASS
世界で最も美しい地下鉄の1つと評判のモスクワメトロ。モザイク、彫像、ステンドグラス、シャンデリアに至るまで、どれもオンリーワンの逸品で、芸術の宝庫と言って良い。中でも珠玉のものをご紹介しよう。

コムソモリスカヤ駅の愛国的モザイク

ニコライ・ガルキン / TASS

 環状線のコムソモリスカヤ駅は、最も美しい駅の1つとされる。それもそのはず。この駅は、首都を訪れる人々が降り立つ3つの長距離鉄道駅との接続ポイントなのだ。

 駅のアーチ天井は、画家パヴェル・コーリンが下絵を描き、ロシア史の重要な場面を描写するモザイクパネルとなっている。

トルブナヤ駅のモザイク画

タチアナ・ポドイニツィナ/Sputnik, Brateevsky (CC BY-SA 3.0)

 ソ連時代に開業した駅と比べると、新しい駅は魅力に欠けるとよく言われる。だが、トルブナヤ駅を彩る、ロシアの諸都市を描いた現代モザイク画を観て欲しい!

 駅にあるモザイク画のうち12枚は、彫刻家ズラブ・ツェリテリの作品である。

プロッシャジ・レヴォリューツィー駅(革命広場駅)の彫刻群

ニコライ・ギンガゾフ / Global Look Press

 モスクワ地下鉄にも、いくつかジンクスがある。例えば、革命広場駅の犬の銅像の鼻をこすると幸運に恵まれる、というものが代表的だ。

 このブロンズの犬と、付き添う兵士像がとりわけ有名だが、革命広場駅には他に75体もの像がある。作者はマトヴェイ・マニゼルで、労働者、農民、兵士、スポーツ選手、水夫など、革命の主役たちの像だ。スターリンはこの彫刻群を大変気に入り、まるで生きているようだと評したと伝えられている。

マヤコフスカヤ駅の着色ガラス画

ニコライ・ガルキン / TASS

 マヤコフスカヤ駅のホールは1938年に完成し、社会主義リアリズムの有名画家アレクサンドル・デイネカがデザインした内装が名高い。34枚のパネルからなる連作で、タイトルは『ソビエトの空の一日』。空を見上げた時に目撃するであろう、航空機やパラシュートで飛ぶ人々を描いている。

ノヴォスロボツカヤ駅の着色ガラス画

Legion Media

 半円ヴォールト天井の両サイドを、輝く着色ガラスのモザイク画が彩る。画家パヴェル・コーリンの下絵によるもので、学者や画家、音楽家など、様々な職業が描かれており、不思議な造形の草花や星によって縁取られている。

VDNKh駅のマヨリカ焼き

Legion Media

 市場のお祭りを描いた、ロシア伝統のグジェリ焼き風の大壁画。バックにはクレムリンと、モスクワの寺院が風景になっている。1997年のモスクワ850周年を記念して、グジェリ職人のマルガリータ・ポドゴルナヤとアレクサンドル・ツァリェゴロッツェフが手掛けた作品である。

ドブルィニンスカヤ駅の浅浮彫り

ニコライ・ガルキン / TASS

 この駅を彩る精巧な浅浮彫りが描くのは、寓意的に表現されたソ連の各共和国。デザインしたのはソ連の画家エレーナ・ヤンソン=マニゼル。例えばこの画像は、彼女が表現したベラルーシ共和国とアルメニア共和国である。

プロスペクト・ミーラ駅のシャンデリア

Legion Media

 モスクワ地下鉄は照明さえも芸術的だ。同じようなシャンデリアを使っている駅はほぼ無い。環状線のプロスペクト・ミーラ駅のシャンデリアの笠部分は束ねた稲穂を思わせ、植物様の造形で装飾されている。

ナガチンスキー・ザトン駅の大魚

モバイルレポーター/モスクワ通信社

 新たな大環状線に2023年に開業したばかりの駅で、モスクワ川の美しい眺めが開けるナガチンスカヤ・ポイマ地域に直結する。こうした立地にちなみ、駅の壁面には巨大な魚がモザイクで描かれている。自然石と顔料を利用したもので、マクシム・コズロフの作品だ。

ベロモルスカヤ駅の北方の風景画

ヴァレリー・シャリフリン / TASS

 ヴァラーム修道院、キジ島の教会、オーロラにまつわる幻想。マクシム・コズロフのデザインによる壮大なモザイク壁画に彩られるベロモルスカヤ駅。駅名もまさに白海を意味し、ロシア北方を連想させるものだ。