
詩が繋いだ世界:アンナ・アフマートヴァ、オックスフォード大学の名誉博士号を受けた歴史的瞬間
ロシアの詩人アンナ・アフマートヴァ氏(1889~1966年)は60年前、イギリスの名門オックスフォード大学から「名誉文学博士号」を授与された。
アフマートヴァの死の1年前、75歳のときのこと。祖国ソ連では、彼女の詩は既に18年間も出版されていなかったが、彼女はイギリスに招かれ、オックスフォード大学から名誉博士号を授与された。演説ではこう述べられた。「この偉大な女性を、まことに当然なことだが、第二のサッフォーと呼ぶ人もいる」

この名誉博士号は、科学や文化の発展に顕著な功績を残した人物に贈られるもので、世界的に高い評価を受けている。ロシアの文学者では、ロマン派詩人のワシリー・ジュコーフスキー、小説家イワン・ツルゲーネフ、児童文学作家コルネイ・チュコフスキーらが過去に受賞している。アフマートヴァの受賞は1965年6月5日に行われた。
当時、ロンドンを巡業していた芸人アルカジー・ライキンは、アフマートヴァの授賞式が他の式典と異なる二つの特徴を持っていたと語っていた。紫のローブを優雅に纏いながらも、医者の帽子は「似合わない」との理由で身につけなかった。体調不良により階段を上ることも膝まずくこともしなかったため、学長自らが降りてきて、学位記を手渡したという。

アンナ・アンドレーヴナは後に、面会した人々全員から温かい歓迎を受けたことに驚きを述べていた。