代表的タタール料理10選

ディリャラ・スレサレンコ / Getty Images
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豊かな味と香り、そして伝統。どの料理も、是非とも味わって欲しい。

 タタール人は、ロシア人に次いでロシア国内に人口の多い民族である(470万人)。タタールの食文化はボリューミーな肉料理と甘いデザートで名高いが、タタール料理で特に多いのは、ピローグ(パイ)だ。

1.エチポチマク

ジュリア・ムリーノ
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 エチポチマクは、タタール料理で最も有名なピローグの1つだろう。エチポチマクとは、「三角形」を意味する。中身は、ジューシーな肉(通常は羊肉か牛肉)とジャガイモとネギ。中身がジューシーさを保つよう、焼く前に中心部にブイヨンを追加するのが特徴だ。

2.エレシュ

ジュリア・ムリーノ
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 こちらも伝統的なピローグ。エレシュとは、「一人分の料理」を意味する。エチポチマクとは異なり、中身はサイコロに切った鶏肉、ジャガイモ、ネギ、スパイス。生地はスメタナとバターで作った、イーストを使わないもの。同じくタタール料理のピローグであるズル・ベリシュに似るが、ひと回り小さい。

3.ズル・ベリシュ

Legion Media
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 お祝い事に欠かせないのが、模様とパン生地の蓋付きのズル・ベリシュ。タタール語で、「大きなパイ」を意味する。肉とジャガイモ入りの、大型ピローグだ。基本的には牛肉を用いるが、特別な場合にはカモやガチョウの肉を使ったり、数種類の肉を混ぜたりもする。

4.チャクチャク

Dmitrij Galacewicz / Getty Images
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 タタール料理のデザート代表で、「小さなもの」や「少しの」といった意味。たっぷりの蜂蜜シロップに浸した、小麦製のカリカリの生地のお菓子だ。

5.グバディヤ

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 この甘いピローグは、イーストを使わないで焼く事が多い。中身は米、卵、トヴォログ、レーズンや干し杏やプルーンなどのドライフルーツ。上の層は、サクサク生地のクラムだ。

6.ペレミャチ

ビクトリア・ドレイ
ビクトリア・ドレイ

 ベリャシュに近いが、中身はもっとジューシー。ふわっとした生地に、中身は細かく刻んだ肉とネギ、スパイスを入れて焼き上げる。

7.トクマチ

エゴール・アレフ / TASS
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 ブイヨンを使ったタタールの麺料理。まず鶏のブイヨンを自家製の麺と一緒に茹で、スパイスに使うのは塩とコショウのみ。刻んだフレッシュハーブは、必ず別々に出す。ブイヨン作りに使った鶏肉をジャガイモと一緒にオーブンで焼けば、十分なボリュームのある食事になる。

8.キスティビ

Elena Rui / Getty Images
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 イーストを使わずに焼いた薄いパン生地で、マッシュポテトや小麦の粥を包んだもの。肉やトヴォログを加えることもある。

9.タルキシュ・カレヴェ

OlgaVolodina / Getty Images
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 蜂蜜と小麦とバターで作る伝統的なデザート。タタルスタンを代表するお土産品でもある。細い繊維が集まってコーン型になったような、印象的な見た目をしている。

10.タタール風アズ

Polina Shurygina / Getty Images
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 牛肉もしくは羊肉、ピクルス、ジャガイモ、そしてスパイスを使った、ボリューミーな煮込み料理だ。

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