ロシアで外国人はなぜ、そしてどのように生体認証データを提出する必要があるのか?
観光客も、またロシアに居住・就労を予定している外国人も、さまざまな生体認証データを提出することになる。どのようなデータが何のために必要なのか?
外国人はどのような場合に生体認証データを提出するのか
1. ビザ免除国からの入国に際して
60か国以上の国民は、ビザなしでロシアに入国できる(国名一覧)。ただし、モバイルアプリ「ruID」を使用して、ロシア入国の72時間前までに通知する必要がある。その際、生体認証データ(顔写真の撮影と音声録音)も提出しなければならない。
生体認証データを提出しないと、国境通過が拒否される。
2.一部の国境検問所で
モスクワの空港およびマシタコフ検問所(オレンブルク州)からロシアに入国する外国人は、生体認証データ、すなわち顔写真と指紋の提出が義務付けられている。
3.SIMカード購入に際して
SIMカードを購入したい外国人は、政府のポータルサイト「ゴスウスルーギ」(「国のサービス」を意味する)でアカウントを作成して、ロシアの銀行で生体認証データを登録する必要がある。匿名での購入はできない。詳細はこちら。
すでにロシアのSIMカードをお持ちの場合は、今年、2025年に使用するために、生体認証を提出する必要がある。そうしないと、番号が切断される…
4.銀行サービスの利用に際して
ロシアでは、多くの店舗や地下鉄に、「スマイル」で支払いができる端末が設置されている(*つまり、カメラに向かって笑いかけることで決済できるサービス)。利用するには、ロシアの銀行カードを持っていることが必要だ。そして、生体認証データが登録・確認されていなければならない。データは、アプリまたは銀行支店で提出できる(例えば、ズベルバンクまたはVTB銀行)。
5.外国人雇用許可を取得してロシアで就労する場合
外国人雇用許可を取得してロシアで合法的に就労するためには、指紋と顔写真を提出する必要がある。
6.一時滞在許可の取得に際して
一時滞在許可は、ロシア国籍を取得するための最初のステップだ。この許可証の有効期間は3年間で、その後は永住権を取得するか、母国に帰国するか、ということになる。一時滞在許可を取得するには、指紋の提出が必要だ。
ロシアでは生体認証データをどこで提出するのか
1.アプリ「ゴスウスルーギ生体認証」(Госуслуги биометрия〈Gosuslugi biometriya〉)
登録には、ポータルサイト「ゴスウスルーギ」のアカウントと、カメラとマイクを備えたスマートフォンが必要だ。データはすぐに、統合生体認証システムの総合データベースに入力される。アプリケーションとウェブサイトはロシア語だ。ダウンロードは、Google Play、App Store、RuStore、AppGalleryでできる。
2.アプリ「ruID」
外国人にとって最も簡単な方法は、アプリ「ruID」をダウンロードし(App Store、Google Play、RuStore、AppGalleryから)、音声データと顔写真を送信することだ。このアプリは、英語を含む複数の言語に対応している。
3.内務省移民問題担当部局
訪問の予約は、ポータルサイト「ゴスウスルーギ」から行うのが最も簡単だ。
4.多機能移民センター
モスクワ、サンクトペテルブルク、カザンなどの大都市で運営されている。
生体認証データの提出が不要なのは誰か
- ベラルーシ国民
- 外交官および公式代表団
- 6歳未満の児童