なぜロシアの教会の信者はカトリック教会のように座らずに立っているのか?

Grigory Sysoev / Sputnik
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ロシアの正教会では、ベンチが並んでいるのをあまり見かけない。礼拝中は立っていなければならない。この伝統は古代に遡る。

 キリスト教が正教とカトリックに分裂する前、すなわち初期の数世紀、信者たちは座りながら祈りを捧げていた。しかし、礼拝中の特定の場合、例えば福音書が読まれるときなどには、立ち上がる必要があった。

Alexander Kryazhev / Sputnik
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 ロシア正教会で礼拝中に立つという伝統は徐々に生まれた。教会の歴史家の中には、より厳しい規則があった修道院から来たものだと考える人もいる。それは、礼拝のプロセスへの集中と畏敬から生まれ、祈りに集中させた。正教における祈りは、魂と肉体の働きであり、信者は、精神的な成長のために、こうしたささやかな肉体的な努力を払う、というわけだ。

Sergey Pyatakov / Sputnik
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 もう一つの説は、気候に関係している。古代ロシアの教会は小さかった。これは、冬にできる限り暖かさを保つためだ。そのため、信者は、立ったままでないと、教会内に収まらなかった。

 もっとも、正教会にもベンチがある。これらは壁に沿って設置されており、身体的に立つことができない人々にとって必要だ。ちなみに、ギリシャなど、世界のいくつかの正教会には、ベンチが置かれている。しかし、それでも信者は、礼拝のほとんどの時間を立ったまま過ごしている。

Grigory Sysoev / Sputnik
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