ロシア各地を代表するスープ7選

ロシア人はスープが好き。シチー、ラッソリニク、ボルシチ、ウハーなどは代表格で、全土で人気がある。しかし、地方によっては独自のスープもある。そのうち幾つかをご紹介しよう。

1/ カレリア風ウハー

Darya Sokolova
Darya Sokolova

 カレリア地方は、湖と河川が多い。地元料理でも、魚はあらゆる形で提供される。この地域のメインメニューは、さまざまな魚のスープだ。中でも代表的なのが、「ロヒケイット」。サケのスープ、という意味だ。クリームを使ったスープで、赤身魚とジャガイモが入っている。かつては祭日などに用意される料理だったが、現在では日常的なメニューとなっている。

2/ ブリヤート地方のシュレン

Gosser13 (CC BY-SA 4.0)
Gosser13 (CC BY-SA 4.0)

 ブリヤート地方ではボリューミーな肉料理が好まれる。スープ「シュレン」の素材もシンプル。自家製の麺に、牛肉ないし羊肉の大きな塊、タマネギと青物野菜。その脂っこく濃厚なスープは、スプーンが立つと言われるほどである。

3/ タタールのトクマチ 

Egor Alyeev / TASS
Egor Alyeev / TASS

 麺入りのチキンスープと、煮鶏肉のジャガイモ添えの2つセットからなる料理である。自家製の麺は塩とコショウのみで茹でる。これに、刻んだ青物野菜を添えて食卓にのせる。ブイヨンに使った鶏肉はジャガイモと一緒に焼く。食べ応えのある昼食の完成である。

4/ オセチアのリヴジャ

Alexander Mychko/ Dreamstime
Alexander Mychko/ Dreamstime

 北コーカサスには野菜を添えた肉料理が多い。リヴジャは、オセチアで人気のスープで、ラグーのように濃厚である。牛肉とジャガイモとタマネギ、ニンジン、薬味(パクチー、タイム、ニンニク、ディル)を煮込んで作る。素材がすっかり柔らかくなるまで、弱火でじっくり煮込むのがポイント。

5/ モルドヴィアのセリャンカ

Ресторан «Мордовское подворье»
Ресторан «Мордовское подворье»

 このスープは、豚の肺をベースにすることで独特の風味が出る。そのほか、レバー、腎臓、心臓、スネを使う。通常、セリャンカはブタもしくは牛のモツで作る。古来、このスープは婚礼の二日目に用意されたものだが、現在では、そのような制約はない。

6/ カルムイクのマハン

Matyas Rehak/ Dreamstime
Matyas Rehak/ Dreamstime

 マハン・シェルチャガン(単にマハンとも)は、最もポピュラーなカルムイク料理だ。羊肉もしくは牛肉ベースのスープで、透明で脂の多いブイヨンにジャガイモが入っている。新鮮なタマネギの輪切りを添えるのが一般的だ。

7/ バシキールのウリュシ

Cristi Lucaci/ Dreamstime
Cristi Lucaci/ Dreamstime

 バシキール地方で好まれるウリュシュは牛肉をベースに、新鮮なジャガイモ、ニンジン、キャベツ、タマネギを加えて作るスープ。ウリュシュとは、「部分」という意味。つまり、スープをよそう時に、全員に同じだけの具が行き渡ることを現わしている。

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