
67歳で自転車の乗り方を覚えたレフ・トルストイ

年齢は、障害ではなく、何か新しいことを始めるのに遅すぎることはない。この事実は、その一つの証明だ。
作家レフ・トルストイ(1828~1910年)は、概して技術の進展に大いに関心があり、自らさまざまな最新技術を試した。写真を撮ったり、蓄音機で音楽を聴いたり、電話で話したりしていた。その一方で、彼は、とてもアクティブな生活を送っていた。長時間の散歩に出かけたり(ヤースナヤ・ポリャーナの客をそれで困らせた)、ゴロトキ(ロシアの伝統的なスポーツ)やテニスをしたりした。
1895年、トルストイは、わざわざモスクワのマネージの自転車教室に通い、自転車の乗り方を習った。モスクワ自転車クラブは、彼に流行の英国製自転車を贈った。

現在、伝説の「スターリー」は、モスクワのハモヴニキのトルストイ博物館に展示されている。作家は、モスクワの街路も自転車で走り回り、そのために特別な許可を得た。
多くの人が彼に、この「危険な」乗り物をやめさせようとしたが、トルストイは、大いに熱中し、こう記している。自転車に乗るのは、「別に悪いことじゃないし、子供みたいに楽しい気分にさせてくれる」。
もっとも、しばらくすると、彼の自転車熱は冷め、乗馬したり徒歩で散歩したりすることのほうが多くなった。