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ロシアにあるもっとも和風庭園5選
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1. ロシア科学アカデミー植物園内の日本庭園(モスクワ)
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庭園は1980年代に、有名な日本の造園家、中島健の設計により造園された。プロジェクトには渡辺富工務店が協力した。日本の伝統的な造園スタイルで作られた庭園は四季の移り変わりを十分に感じさせてくれるものである。敷地内には、有名な桜、ツツジ、イタヤカエデなど、主に北海道から持ち込まれたおよそ70の植物が生育している。
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2. ピョートル大帝植物園内の日本庭園(サンクトペテルブルク)
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サンクトペテルブルクの日本庭園は2010年に造られた。ここには茶室、ミニチュアの富士山と地元の河童、カップーシャ(小さな河童)が住む池のある石庭がある。
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庭園は日本とロシアの建築家が設計した。キュレーターを務めたのは池坊総家督の山田みどりさん。庭園にはエクスカーションのグループしか入れない。
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ロシアの「北の都」にある日本庭園はこれだけではない。2021年9月にはサンクトペテルブルク大学の植物園に日本庭園が造られた。庭には極東の固有種である日本のツツジ、セイヨウシャクナゲなどがある。
ロシア帝国時代、ペテルブルクで初めて日本語の指導が始まったのは象徴的なことである。17世紀末、極東の沿岸で船が遭難し、最初の日本人である伝兵衛がロシアにたどり着いた。1705年、ロシア語を習得した伝兵衛はペテルブルクでピョートル1世に謁見し、その後、日本語教育を行うよう指示された。最初の日本語教室は航海学・数学学校で開室し、伝兵衛が教師となった。
詳しくはこちらから:ロシアにおける最初の日本人:伝兵衛とピョートル大帝>>
3. 日本庭園「第六感」(クリミア)
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造園家らによれば、この名前には世界をすべての感覚器官で認識して初めて悟りが開けるという仏教の哲学が隠されているという。
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黒海沿岸にある3階建ての庭園には、茶室、枯山水、日陰の庭、たくさんの小川や池、桜並木、日本から運ばれてきた火山岩、それに海を臨む露天風呂(!)まである。
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庭園は、「昭和の小堀遠州」と称えられた作庭家、中根金作の息子、中根史郎が手がけた。
4. クルキノの日本の市場(モスクワ)
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古代の日本をイメージしたパビリオンは、モスクワの北西部にあるベッドタウンで、地元住民の努力により誕生した。この施設をどのようなスタイルにするのかについてはオンライン投票が行われ、モスクワっ子たちは日本、インド、フランスという選択肢の中から、日本のスタイルが選んだ。
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内部には農産物の市場があり、冬にはスケートリンクが作られ、夏には紫陽花が咲き乱れる中で、スケートボードを楽しむことができる。
合わせて読みたい:モスクワ郊外に現れた古代日本>>
5. ガリツキー公園の日本庭園(クラスノダール)
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2023年の春にオープンしたばかりの日本庭園は実に7.5ヘクタールもの広さを持っている。
公園にはあわせて26の見どころがある。中央入口の「唐門」、枯れ池、瞑想のための坐禅堂、禅の庭、釘を使わずに建てられた古民家、能楽堂、原木で作られた建物、茶道が楽しめる喫茶店、坪庭回廊などである。
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懸造りの御堂は強い心を象徴し、多宝塔は仏教の寺を思わせる。また庭には3本に分かれた滝がある。それぞれの滝で水の流れる速度が異なり、それがまた一つに合流する。滝の上には水辺で遊ぶ亀を模った展望台が置かれている。
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