
クリミア半島で最も美しい教会5選
1. ケルチの洗礼者聖ヨハネ大聖堂

これは実質的にバシリカで、10世紀に建てられた。当時、クリミアは、ビザンチン帝国(東ローマ帝国)の一部だった。ロシア領内で最も古い聖堂の一つだ。

しかし、中世、クリミア・ハン国の統治時代に、この聖堂はモスクになった。そのとき、古代のフレスコ画は塗りつぶされ、失われてしまった。18世紀にクリミアがロシア帝国に併合されると、聖堂は再び正教の教会となり、増築された。
2. ケルソネソスの聖ウラジーミル大聖堂

この聖堂は、ウラジーミル1世(聖公)が洗礼を受けたと伝えられる場所に、19世紀末に建てられた。彼の治世中に、古代ロシアへのキリスト教導入が行われている。近くには、古代都市ケルソネソスの遺跡がある。
この聖堂は、コンスタンティノープル(現イスタンブール)のソフィア大聖堂を参考に、建築家ダヴィド・グリムの設計により、ネオ・ビザンチン様式で建てられた。

大聖堂は、2つの聖堂で構成されている。下層の聖堂は、聖母マリアの降誕を記念して成聖。上層の聖堂は、亜使徒・聖公ウラジーミルの名において成聖された。
3. フォロスの主の復活教会

この聖堂は、クリミア半島南岸の崖の上にそびえる。1892年に、ネオ・ビザンチン様式で建てられた。壁は、焼成レンガで造られている。これは、すでにローマ帝国時代の建築にも使われていた建材だ。聖堂は、モザイクで豪華に装飾されており、高いドームは、空色に塗られている。

この聖堂は、列車事故の際に皇帝一家が奇跡的に救出されたことを記念したもの。1888年10月17日、アレクサンドル3世と妻子は、クリミアからサンクトペテルブルクへ鉄道で旅していた。列車は脱線したが、家族に怪我はなかった。皇帝は、家族が避難するまで、崩れ落ちる車両を、文字通り双肩で支えていた。
4. ヤルタの聖アレクサンドル・ネフスキー大聖堂

クリミアのビザンチン様式のバシリカとは異なり、ヤルタの主要な大聖堂は、ロシア様式で建てられ、多数の八角尖塔やココシニクで装飾されている。この聖堂は、暗殺された皇帝アレクサンドル2世を追悼して建てられたため、同名の聖アレクサンドル・ネフスキーに捧げられている。

サンクトペテルブルクの「血の上の救世主教会」と同じく、その建立の計画は、1891年にアレクサンドル3世によって直接承認された。建築家は、ニコライ・クラスノフとプラトン・テレベニョーフだ。
5. 聖ニコライ灯台聖堂

クリミア半島で最も新しい聖堂の一つで、2000年代に建てられた。この聖堂が聖ニコライ(ミラのニコラオス)に捧げられているのは偶然ではない。ロシア正教では、聖ニコライは最も愛され、崇拝されている聖人の一人であり、船乗りと旅人の守護聖人だ。この聖堂は、クリミア半島で最も高い聖堂であり、高さは65㍍超。

海沿いに位置しているが、灯台としての機能は果たしていない。建物の形は、十字架に似ており、各側面には、聖ニコライと聖母マリアを描いた装飾壁面がはめ込まれている。