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ロシアの中国的名所10選
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獅子像
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ピョートル1世の家を守る、花崗岩のライオン像は、1907年に満州からサンクトペテルブルクに運ばれた。ペトロフスカヤ海岸に設置された壮大な獅子像は、敵から守り、力と権力を象徴している。ちなみに、2頭が口を開けているのは偶然ではなく、悪霊を脅かしていると考えられている。
オラニエンバウムの中国宮殿
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エカテリーナ2世の私邸は、アントニオ・リナルディによって建設された。この宮殿のホールはシノワズリ様式で装飾されている。特筆すべきは、ガラスビーズの部屋だ。その壁は絹糸とガラスビーズで刺繍された多数のパネルで装飾されている。その輝く背景には蝶や鳥が飛び交い、金箔のフレームは樹木の幹を思わせる。
ブラゴヴェシチェンスクの友好公園
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ロシアで最も古い中国公園の1つ。中ロ関係の復活を記念して建設され、1995年から開園している。正門では、獅子像が来園者を迎えている。公園の敷地には、龍の像で飾られた円月橋や、万里の長城の模型、塔、テーマ別に様々な彫刻がある。彫刻の中にはパンダファミリーや、両国の伝統楽器、すなわち中国のリュートのピーパと、ロシアのバラライカに象徴される両国の友好記念碑がある。
ペルロフの茶店
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モスクワの中心にあるこの店は、紅茶商セルゲイ・ペルロフのために1893年に建てられた。しかしこの建物は、当初から塔のある宝石箱に似た外観だったわけではない。
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1896年、ニコライ2世の戴冠式に中国の高官・李鴻章が来る筈だった。ペルロフは重要な賓客が自分の店に滞在してくれることを切に願い、建築家のカール・ギッピウスにファサードを中国風に改築するよう依頼した。李鴻章は結局立ち寄らなかったが、ミャスニツカヤ通りに素晴らしく美しい建築が誕生し、モスクワの新名所の1つとなった。
リテイヌイ大通りの友好庭園
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ペテルブルグ300周年を記念して中国の古い庭園・豫園のミニコピーが上海から贈られた。ここのほぼ全ての場所は素晴らしい写真を撮るために用意されたかのようだ。ここが中国なのかロシアなのか、時に錯覚するほどだ。
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優美な松の木、リンゴの木、優しい桜の木などが石に囲まれて生い茂り、山脈のような景色を形作る。友好の塔を2頭のライオン像が守っている。庭園の主な見どころは九龍壁。それぞれの龍に名前があり、独自の色とご利益がある。例えば、睚眦は病から守り、蒲牢は冬の危険から守ってくれる。卒業試験が間近なら贔屓に、ポジティブなエネルギーを欲するなら、囚牛にお願いするといい。
東洋博物館
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この博物館には中国美術の膨大なコレクションが収蔵されている。その中には、エレガントな陶器の花瓶や、翡翠の觚、空を象徴する葬儀用の璧、頭に3本脚のヒキガエルを載せたテラコッタの道教者の頭部、小さなカボチャで作られた闘蟋用のコオロギの家さえある。
ペテルゴフの中国庭園
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ペテルブルグ近郊のペテルゴフにあるモンプレジール宮殿に隣接する小さな室内中国庭園は、砂の小道と、貝殻と花瓶の噴水を備えている。それは殆ど偶然に作られたものだ。浴場の再建後に建物と海の間に一帯の土地が残り、そこに小さな庭園を造ることになった。それが、緑の草木に覆われた池、塔と橋、そして水が2つの大理石のボウルに流れ込む洞窟である。
アレクサンドロフスキー公園の中国村
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スウェーデンのドロットニングホルムで整然とした中国村を見たエカテリーナ2世は、ペテルブルグ近郊のツァールスコエ・セローに同様の村を作ろうと決意した。建築家アントニオ・リナルディとチャールズ・キャメロンは皇后のお気に入りの版画の1つをインスピレーション源とした。アレクサンドル1世の統治下では中国村に皇帝の客人が宿泊した。例えばニコライ・カラムジンは、ここで『ロシア国家史』の執筆に取り組んだ。この村へは、5つの橋で入れる。例えば、龍の橋は、4体の龍で飾られている。
モスクワの華明公園
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ヨーロッパ最大の中国公園で、その面積は5㌶を超える。この公園は古典的な景観建築の伝統に基づいて設計されており、すべての建物は中国北部の住宅である四合院の様式を取り入れている。あずまや、池、林檎園、茶屋など、美しく静かな雰囲気の中をゆっくり散策できる。そしてもちろん孔子の記念像もある。植物も、北京や上海に特有の雰囲気を伝えるため、ここにはリンゴ、梅、松、しだれ柳、黒樺などが植えられている。春にはシャクヤクやクロッカスも咲く。
エルミタージュ美術館の中国コレクション
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ピョートル1世は、中国のコレクションを収集し始めた最初の1人だった。ピョートルは康熙帝と贈り物を交換し、風変りな物や機構、芸術作品に興味を抱いた。そのコレクションの一部は、エルミタージュに保管されている。中国の19~20世紀の新年絵画「年画」のコレクションは最大級。他にも石切り作品、家具調度品など幅広い。金魚用の銅製の鉢、銅製の氷室なども綿密な草花模様に彩られている。