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想像してみてほしい。あなたが手紙を受け取ってみると、なんとそこにマンモスが・・・!いや、これはジョークではない。ヤクーチヤで、ケナガマンモスの本物の体毛のついた古生物学的な意味を持つ特殊な切手が発売されたのである。その体毛は2012年にラプテフ海沿岸で発見された幼いマンモス「ユカ」の組織から採取されたものだ。
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発掘されたマンモスは体重106キロ、体長165センチで、およそ2万8000年前に生存し、6〜9歳で死亡したとされる。永久凍土帯に眠っていたことから、このマンモスの幼獣は、赤みがかった体毛を含め、良好な状態で保存されていた。
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ユカは本物のスターである。すでに日本、韓国を訪問し、モスクワにも立ち寄り、ヤクーツクに戻ってきた。研究者の中には、将来、ユカのDNAを基にマンモスのクローンを作製できると期待している者もいる。
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しかし、現段階で研究者のワレリー・スシコフ氏が提案したのは、古生物の樹脂で覆った体毛のついた切手を製造することであった。切手の発行枚数はわずか100枚。デザインを手がけたのはナタリヤ・プリギナ。この古生物学的切手の額面は「髪の毛1本」という珍しいものになる。
マンモスの壁画や彫刻は現代まで残されているが、ケナガマンモスの体毛の付いた郵便物を発送したという人物はいまだかつて一人もいない。